ジーンとくる話
辛い経験から人間を拒否していたボロボロの野良猫 施設でケアを受けていた時目にした子猫に対しまさかの行動に出た スタッフは一瞬目を疑った
大切な家族の一員として愛情を受け、幸せな暮らしを送るペットもいれば、残念ながら飼い主の身勝手で、もう飼えないと飼育を放棄されてしまうペットもいます。一度は暖かい家で暮らし、餌の心配もなかった彼らにとって、家を失った生活は想像を絶する厳しいもの。そして心には信頼していた飼い主に裏切られたことによる深い深い傷も残ります。
今年1月、アメリカ・カリフォルニア州南部にあるサンバーナーディーノのあるアパートで、野良生活をしていたオス猫のフェニックスは保護されました。アパートの住人によると、もともとは飼い猫だったフェニックスは飼い主に捨てられ、1年以上もの間を野良として生活していたのだそう。寄生したダニによって皮膚は炎症を起こし、見るからに弱ったフェニックスを住人が見かねて地元の保護団体 Cats Of San Bernardinoに連絡し、救助されました。
その大きな体に比べ、ガリガリに痩せ細ったフェニックスは、疥癬という皮膚病だけでなく、猫免疫不全ウィルス(FIV)にも感染していました。また、一部の歯は折れていたそうです。
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弱りきってボロボロだったフェニックス、救助当時のその眼差しには生きる力はなく、寂しさが漂い、光を失ったようでした。また、人間への不信感からか野生動物かのような振る舞いだったと言います。
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しかし、スタッフたちのケアでフェニックスは徐々に回復。疥癬でひどく荒れていた顔付近の皮膚も改善し、そのオッドアイの美しい目には少しずつ生きる力が見られるようになっていきました。
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そうして順調に回復して行ったフェニックスですが、スタッフはその回復と共にフェニックスが思っていた以上に老猫だったことに気がつきました。事実、フェニックスは1日の大半を横になって過ごしていたのです。
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そんなある日のこと、いつものように寝ていたフェニックスにある変化が訪れました。それは小さな小さな子猫のルビーとの出会いでした。
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生まれて間も無く母猫に捨てられたルビーは兄弟たちと共にこの施設に保護されました。保護当時、ルビーは24時間体制でケアが必要なほど弱り、懸命に生きようとしていたそうです。
そして数週間の期間を経て回復し元気になったルビーは、ある日施設内でケアを受けて部屋を飛び出し、フェニックスを発見。寝ていたフェニックスに飛びついたそうです。
その瞬間、誰もが予想しなかった展開に。フェニックスが小さなルビーを引き寄せてお世話をし始めたのです。
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スタッフは後に、正直を言うとフェニックスがルビーを危害を加えるのではと思ったそう。以来、フェニックスとルビーはいつも一緒。
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傷ついて生きることを諦めていたフェニックスがルビーに出会い、生きる力を見つけた瞬間でした。
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スタッフはフェニックスにこんな一面があったなんてまったく予想もしなかったと言います。甲斐甲斐しくルビーをお世話するその姿はまるでパパ猫のよう。
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以前は一日中寝ていたというフェニックスですが、今ではルビーと一緒になって遊び走り回っているそうです。辛い経験で心を閉ざしていたフェニックスですが、ルビーの存在が彼に希望を与えたのは言うまでもありません。
今、2匹は一緒にもらってくれる家族を探しているそうです。2匹が幸せに、そして安心して暮らせる家が1日も早くみつかることを心より願うばかりです。
2匹の出会いをまとめた動画は以下よりご覧いただけます。
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プレビュー画像:©︎Instagram/catsofsanbernardino
