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35年の郵便局員人生 最終日 いつもの道に次々に現れるものに男性は泣いた

仕事にどんなやりがいを感じるかは人それぞれ。お給料が良いからかもしれませんし、仕事内容が好きという人もいれば、人に感謝されるからという人もいるでしょう。一方、今の仕事にやりがいを見出せず仕事が苦痛で仕方ないという人も多いかもしれません。今回は、こんなユニークなやりがいの感じ方もあることを教えてくれる、郵便局員フロイド・マーティンの話をご紹介します。

アメリカ・ジョージア州アトランタの小さな町で暮らすフロイド・マーティンは、この日35年の郵便局員人生を終えようとしていました。いつもと同じ配達ルートを回ろうと配達トラックに乗り込んだフロイド。酷暑の日や大雨の日も震え上がるような寒い日も、毎日乗り続けた配達トラックとも今日でお別れです。

トラックで配達とはいえ、歩き回ることも多い仕事柄、61歳のフロイドは肥満とは無縁で健康そのもの。でも真夏の配達ではトラックの中はオーブンのような温度になり、年々体への負担が増えているのを感じていたフロイド。昨年夏ついに退職を決意したのでした。

そんなフロイドの退職の日を記録したいと、地域住民のジェニファー・ブレットが配達に同行します。

そしていつものルートを運転し始めたフロイドは、郵便入れの脇に立つロリアン・ワッシャーに気づきます。ロリアンは、フロイドの退職の日に挨拶をと待っていたのです。20年以上毎日郵便物がある日もない日も、「いつも笑顔で手を振ってくれたわね」とロリアン。

87歳のドレーン・ヒップスは、フロイドが勤務初日から毎日顔を合わせてきた住民の一人。孫娘のアマンダはこう言います。「おばあちゃんは認知症が進行してしまったけど、フロイドのことは覚えているの」

地域住民たちはフロイドの退職の日をお祝いしようと、事前に計画していたのです。いつもは手紙や荷物を届けるフロイドですが、この日は逆にたくさんの手紙や荷物を受け取ることに。

直接挨拶ができない住民たちは、郵便受けに「おめでとう!」「世界最高の配達員だ」「ありがとう」メッセージを残していました。

「フロイドさん大好き」マエは将来郵便配達員になるそうです。「舞い上がってしまうね」とフロイド。「すごく感動したよ」

こうしてたくさんの人に祝福されながらいつものルートを回り終えたフロイドを、300人以上の地域住民が総出で待っていました。ストリートパーティの始まりです!

パーティの最後にフロイドはスピーチをします。

「みなさん、今日は本当にありがとう。みなさんと同じように、私の人生もいい時もあれば悪い時もありました。両親を亡くし、子どもを亡くし、それから多くの友人も失いました。

でもいつもみなさんはここにいてくれた。みなさんのことを心から愛しています。今の世界が一番必要としているものは愛と思いやり、慈悲の心と助け合いです。こういう大切なことが失われてしまったと思うこともあるけど…。みなさんが今日こうして、証明してくれた。

ありがとう。これからも助け合っていきましょう。そして私のことを思い出したら、笑顔になってください」

こうしてフロイドの勤務最終日は幕を閉じました。フロイドが35年間も仕事を続けてこられたのは、地域住民たちとの強い絆があってこそ。地域の人たちとつながり続けること自体が彼のやりがいになっていたのかもしれませんね。

素敵なストーリー、ぜひシェアしてください!

プレビュー画像: / © Twitter/Jennifer__Brett © Twitter/Jennifer__Brett