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両親が15年前に書いたという20歳の息子への手紙 それを読んだ息子が言った一言に思わず目頭が熱くなった

「20歳になった自分へ」そう題して、大人になった未来の自分に手紙を書いた人や、親から成長した自分に向けて書かれた手紙を受け取ったという経験があるとう方はいるのではないでしょうか。未来の自分、子供に向けて書かれた手紙。特に親から子への手紙には時を超え、成長した子を思う優しさや温もりで溢れています。

オリックス・バファローズに所属するプロ野球選手、西浦颯大さん( @orix_125)は、20歳になった時に両親から手紙をもらったという1人。その手紙をTwitterに公開しています。

Twitter@orix_125

「15年後の颯大へ

いつも元気いっぱいの颯大。戦い大好きでちょっぴり甘えん坊な颯大も、もうすぐ5歳。

15年後は20歳!!成人してるんだね。どんな男性に成長しているのかな。ママのことも、もう『母さん』なんていってるのかな。

15年後の颯大に願うこと。それは颯大として、心も身体も大きい男性になっていてほしいということです。何に対しても思いやりを持てて芯の強い男に成長していることを信じています。

運動が大好きな颯大は、今何をしているのかな?プロ野球選手かな?有名になっていたりして。

何をしても上手な颯大だけど、ちょっと移り気なところもあるから『これだ!!』と思えることがあるならば、それに向かって一所懸命に頑張りなさい。

颯大にはできるはずです。

この手紙を読んだ後、お父さんとママと颯大の3人で、楽しいお酒を飲もうね。

お父さん&ママより」

そこには、20歳になった西浦さんに両親からの愛に溢れた力強い激励のメッセージが綴られていました。そしてこの手紙に、彼はこう言葉を添えて投稿しています。

「17年前の手紙。

もう一回野球させてください神様

迷惑かけすぎてきた分、まだ親孝行が足りない」

2020年11月26日、所属しているオリックスより西浦さんとの支配下契約を結ばないことが発表され、同時に西浦さんが厚生労働省が指定している難病「両側特発性大腿骨頭壊死症」と診断されたことも発表されました。2017年のドラフトで6位指名を受け入団、プロ3年目を迎えていた時のことでした。2020年のシーズンを迎えた際は、レギュラー奪取を目標に誰よりも練習に励んでいたという西浦さん。そんな時に受けた病気の宣告はあまりにも酷なものでした。

「特発性大腿骨頭壊死症」は、股関節を形成する大腿骨の先端部分が血流低下などにより壊死し、股関節に痛みが生じる病で、国が指定する難病です。原因はまだ十分に解明されておらず、西浦さんは医師からは「復活の可能性は8割以上なく、競技復活した人はいない」とまで言われたそうです。

しかし、球団から発表があった同日に西浦さんは自身のSNSで病と闘う決意をつづった文章を投稿し、そこには「絶対に戻ってきます」という前向きな言葉で締めくくられていました。

アスリートでこの病気の手術をした前例がないことを知っても、可能性が有る限り、それを信じて西浦さんは復帰を諦めませんでした。翌月の12月21日には、自分の骨盤から股関節に移植する手術を受けています。闘病は、片方の脚から手術を行い、3ヵ月後にもう一方の脚を手術するという約6ヵ月の長期入院を強いられ、再び歩けるようになるのは1年後という大掛かりなものでした。

 

目の前にはばかる壁に、屈することなく進む西浦さん。彼の背中を押してくれたのは、3歳の頃から野球を始めてから大好きな野球のことを考えてきたという彼を見守ってきた両親の存在と、応援してくれるファンの存在があったから。そして、「前例がないなら俺が前例を作る」と、同じく先が見えない難病と闘う人たちの力になりたいという思いからでした。

育成選手契約に変更をした際での会見でも、「僕が復活すれば、(同じ病気の人も)希望が持てると思う」と気丈に語っていました。

 

「もう一回野球させてください神様。迷惑かけすぎてきた分、まだ親孝行が足りない」

手紙に添えられたその一言には、復帰への切なる願いと応援してくれた両親への思いが溢れています。西浦さんは現在、今年2月にもう一方の足の手術を受けリハビリ生活を送っています。

 
 
 
 
 
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A post shared by 西浦颯大/HAYATO NISHIURA (@orix_125)

身体能力を生かしたダイナミックなプレーでファンを魅了してきた西浦さん。病に負けじと前を向く彼が、再び素晴らしいプレーでファンを沸かしてくれることを心から願ってやみません。

プレビュー画像:©︎Twitter/orix_125