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ジーンとくる話

ホームセンター従業員、木屑の中に「住人」を発見

環境汚染に気候変動…現在、野生動物にとって生息環境は悪化の一途を辿るばかりです。人間に生息地を追われ種の存続が危ぶまれる野生動物もいれば、食料を求め人間の居住地区にまで生息地を広げつつある特定の動物もいます。日本では特定外来生物に指定されているアライグマもそんな動物の一種です。北米原産のアライグマはアメリカでは民家のゴミを漁ることから「ゴミパンダ(trash pandas)」と呼ばれ害獣扱いされています。そんなアメリカ人にとって身近な野生動物であるアライグマとホームセンター職員のあるやりとりが話題となりました。

アメリカのホームセンターチェーン「ホーム・デポ」の従業員はある日、商品の木屑袋の荷台の中に何かワフワフのものがあることに気づきました。

Imgur/Elborrach0666

それは木屑の上で丸くなった3匹のアライグマの赤ちゃんでした。辺りに母親の姿はありませんでした。おそらく、ホームセンターに出入りする人々に怯え、子供を残したまま逃げ出してしまったのでしょう。

Imgur/Elborrach0666

「母アライグマはきっとこの袋の間が巣にぴったりだと思ったのでしょう。袋を破り、間の空間を木屑で満たせば丁度良い寝床になります。木屑売り場は店内でも静かな場所にあり、屋根の下にあるので雨や寒さを凌ぐことができます」と従業員は語ります。

Imgur/Elborrach0666

発見から数時間が経過しても、母アライグマは姿を見せません。そこで、母アライグマが戻るまで赤ちゃんの安全を確保するため、従業員らは買い物客に向けてボードで注意を促すことにしました。

「この木屑をそっとしておいてください。中に赤ちゃんアライグマのいる巣があります!」

従業員が見守る中、待つこと3日間…しかし母アライグマが戻ってくることはありませんでした。仕方なく従業員は赤ちゃんを地元の動物愛護団体に預けることにします。

Imgur/Elborrach0666

実はこのホームセンターの従業員が野生動物を保護するのは今回が初めてではありませんでした。アライグマの赤ちゃんを発見する少し前には他の従業員が雛鳥を保護し巣立ちまで面倒をみたり、子ウサギを世話したりしているそうです。

それにしても野生動物に理解のあるホームセンターですね。