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両親は病状末期の赤ちゃんの誕生を毎日祝った。99回目の誕生日に2人がしたことを知って、涙が止まらなくなった。

アメリカのアーカンソー州に住むマットとジニー・ムーニーは、第一子の出産を心待ちにしていました。

しかし妊娠6ヶ月を迎えたとき、医師から絶望的な宣告を受けます。2人の赤ちゃんが染色体異常による先天性疾患、エドワーズ症候群(18トリソミー)であり、生きられる見込みは殆どないといと告げられたのです。この病気を持つ赤ちゃんは胎内に死亡してしまうことが殆どで、生後の生存率も低く、生後1年で90%が死亡してしまう生存率の低い病気です。

マットとジニーは悲しみにくれましたが希望を捨てることはありませんでした。

Youtube/Igniter Media

そして2ヶ月後、エリオット・ハートマン・ムーニーが生まれてきます。肺は未発達で、心臓には穴が空いていましたが、エリオットは生きていました。新しく親になった2人は子どもの誕生があまりにも嬉しくて、それから毎日午後4時59分、エリオットが生まれた時刻に息子の誕生を祝うようになります。また、マットはエリオットへ宛てたメッセージを書き留めるようになります。

「エリオットへ、君は約2,700グラムで今日生まれた。もうすでに君は奇跡だよ。ママも元気だよ。病院にちょっと長く入院しなきゃいけないみたいだけどね

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「エリオットへ、今日、君は生後11日目になったよ。君のことを誇りに思うよ。今日僕たちは君の11日目の誕生日を祝った。実際、毎日祝ってるんだ。君が生まれた午後4時59分にね」

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集中治療室で2週間過ごしたあと、エリオットは両親と家に帰ること許されます。エリオットには呼吸を助ける装置が取り付けられ、チューブを通して栄養を摂らねばならないなど、24時間体制の特別なケアが必要でした。しかも3時間毎に栄養を摂取せねばならず、その方法も複雑なものでしたが、マットとジニーは3人で一緒に過ごせる一瞬一瞬がいかに幸運かを感じていました。

「エリオットへ、気づいているかわからないけど、君にはいくつものチューブがつながってる。呼吸するためには付け続けなきゃいけないんだそうだ。それから君はチューブでご飯を食べてるんだ。3時間毎に1時間半かけてご飯を食べさせてるよ。君の面倒をどうやってみたらいいか知れて本当に嬉しいよ。本当に。君のためにたくさんの人たちからメールがきたり、電話がきたり、カードを送ってきてくれているよ。君はたくさんの人から愛されてるんだ」

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「午後11時、僕の食事シフトが始まった。君のママは眠っていて、僕が1日で一番好きな時間の始まりだ。僕のシフトはママが交代する午前4時45分に終わる。ママは君との朝の時間をとても大切にしているんだよ」

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「今日、君は生後1ヶ月になった。口に出して言えることになるとは思わなかったよ。お祝いのために友人20人がサプライズのお誕生日会を開いてくれた。たくさんの風船と誕生日ケーキをくれたよ。みんなはしゃいでた」

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「エリオットへ、君は今3,311グラムになった。たくさん食べるから食事の内容も変わった。僕は君がかわいくて仕方ない」

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エドワード症候群の赤ちゃんは、指を開くことさえ難しい場合が多いのですが、なんとエリオットは生後2ヶ月で親指をしゃぶり始めます。

「エリオットへ、今日、君は生後2ヶ月になったよ。君と出会えて、僕とママは本当に心から感謝している。君の顔、泣き声、君が好きなお風呂のあとのマッサージの時間は僕らにとってもかけがえないものなんだ」

「ついに自分で親指をしゃぶるようになったね。トリソミーで生まれると拳が閉じたままだから、これはとても難しいことなんだ。すごいぞ!」

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「エリオットへ、今日みんなで病院に行ったよ。あんなに嬉しそうなママをパパは初めて見た。息子を人に見せるときの喜びは言葉では言い表せないほどだろうね。実際ママはその喜びが、君が大統領になったり、大学生アメフト選手としてハイズマン賞を取ったり、ガンの特効薬を発見したりしたときと、きっと同じくらいのものだって言ってたよ。医学的にはすでに君が生きているはずはないのに、君は生きてる。君は強いファイターだ」

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 奇跡とも言える3ヶ月目が過ぎると、エリオットは装置とチューブに頼らなくても呼吸したり栄養を摂ったりできるようになっていました。マットとジニーが病院にエリオットを連れて行くと、ここまで生きるとは予想していなかった医師や看護師らはみな衝撃を受けていたそうです。

「エリオットへ、今日君は3ヶ月の誕生日だった。そして初めてチューブの付いていない君の写真を撮ったんだ。食事用チューブも、酸素用チューブも何にもなし。これは並大抵のことじゃないよ。でも僕らは達成したんだ。君のことを本当に誇りに思うよ」

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しかし、生まれてから99日目でエリオットの人生は終わりを迎えることになります。両親は葬式で、99個の風船を空に放ちました。

「エリオットへ、今日、君は神様のもとに旅立った。未発達の肺、心臓には穴、君の全細胞に間違った情報を与える遺伝子を持っていたけれど、神様は君をこの世に誕生させてくださった。神は牧師の説教や聖書の中ではなく、このトリソミー18をもって生まれた3000グラムの男の子の体に真実を見せてくれた。君のお葬式で99個の風船を放ったよ。一つひとつの風船が君の生きた1日を表している。きれいな光景だったけど、でもみんなあまりにも早くどこかに行ってしまった。君のようにね。今日、僕らは君を祝福する。君はいい子だった。君がいなくなった寂しさは表現できないほどだけど、僕たちにこの世に残された時間が君と僕らを隔てているだけなんだ。息子よ、また会おうね。ママとパパより」

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エリオットのストーリは、こちらのビデオでご覧いただけます。(英語音声のみ)

エリオット・ハートマン・ムーニーが生きたのはたったの99日でしたが、誰が予想したよりも長く生き、マットとジニーの毎日を幸せで満たしてくれました。