【桃太郎】には江戸時代に作られた続編が3本あった しかしその結末のエグさに目をひん剥いた
桃太郎。
日本人なら誰もが知るこの昔話。桃から生まれた少年・桃太郎が、犬・猿・キジを引き連れて、人々を苦しめる鬼を退治しに行くという王道にして痛快なストーリーは、長きにわたり日本の人々に親しまれてきました。
しかしなんと、この桃太郎に、江戸時代に(勝手に)成立した3本の続編があること、ご存知でしたか?
それぞれまったく異なった結末が用意されているその3本の続編ですが、そのうちの1本をTwitterユーザーのteradaさん(@terada50397416)が紹介し、今大きな話題を呼んでいます。
その内容のあまりのエグさに、読み終わったあと、呆然と立ち尽くすことしかできないはず。
はじまり、はじまり〜!
『桃太郎後日噺』作者 朋誠堂喜三二(平沢常富) 画工 恋川春町 安永6(1777)https://t.co/qPO5oDbtVv
— 国家鮟鱇 (@tonmanaangler) September 20, 2020
桃太郎が成立したのは江戸初期だが、その後で桃太郎の続編が作られたことはあまり知られていない。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
桃太郎は鬼たちをしばき回した後、鬼を一匹ばかり拉致しておじいさんとおばあさんの元へ帰ってきた。
現代だと桃太郎は金銀財宝を持ち帰ったことになっているが本来は打ち出の小槌などの道具だった。 pic.twitter.com/tkWfMN18Fb
桃太郎は鬼たちをしばき回した後、鬼を一匹ばかり拉致しておじいさんとおばあさんの元へ帰ってきた。
しょっぱなからけっこう飛ばしていきます。
打ち出の小槌で小判を出しまくる桃太郎。インフレ待ったなし。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
ずっと小槌を振ってたら腰が痛くなってきたので、タバコでも吸おうかと言っている。
ちなみに雉は故郷に帰ることにしたらしい。
子どもに大量の蛇を持ち帰り、蒲焼きにするつもりのようだ。 pic.twitter.com/jVGHTAYObk
打ち出の小槌で小判を出しまくる桃太郎。インフレ待ったなし。
とんだ金の亡者です!
そんな桃太郎もついに元服し、月代を剃った。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
ついでだからと、家来にした鬼も元服することに。しかしなんと剃り落とすのは角。
おばあさんは「むごらしい」と痛みはないか心配している様子。
元服の後、鬼は鬼七という名を与えられた。 pic.twitter.com/6nJgiSa9gz
鬼よりも桃太郎の方が血も涙もないのでは…?
右の男が元服した鬼七。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
誰やねん!
と、読者は一斉にツッコミを入れたことだろう。
それはともかく、猿も元服することになり、頭を剃った。
猿も大人になったもんだ。
ちなみに鬼七の左にいる女は「おふく」という女中。 pic.twitter.com/pepkUnZr68
猿も頭を剃るようです。
大人になった猿、なんとおふくに迫る。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
性欲が猿!
しかしおふくは猿の相手などしない。 pic.twitter.com/81iPEotcnf
種族を超えた愛?!
それもそのはず。実はおふくと鬼七は出来上がっていたのだ。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
猿はその現場を見て二人を叱責する。
この時代、家来同士が勝手にくつくなど許されなかったのだ。 pic.twitter.com/AqAd3xMmum
当時は奉公人が自由に恋愛することは禁止されていたのです!
いや、でもそれ以前の問題のような気も…
ただクビにするのでは不憫だということで、桃太郎は打ち出の小槌を使ってガンガン小判を出し、それを退職金にしてやった。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
そのついでに猿もクビにした。
猿の退職金は200文。酒一升分くらいの額。
さすがに猿も不満。
猿「その小槌で私をボコってください。何回叩かれてもいいんで!」
発想が猿! pic.twitter.com/WZ8yXghiZ3
昼ドラのような展開に!
猿、早速家の主人であるおじいさんとおばあさんに報告。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
行動が猿!
猿「あの二人が不義を働いたのを見ました。クビにしなければご正道が立ちますまい」
ジジババは二人をクビにしたくはなかったが、ルール違反を知ってしまった以上は放置もできない。 pic.twitter.com/P2vPClhX9a
さっそくチクったようです。
鬼七とおふくは退職金でタバコ屋を始めた。軌道に乗り始めたらしく、男女二人で仲良く切り盛りしている模様。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
犬も客として訪れているようだ。
一方、猿はこの二人のせいでクビになったと恨みを募らせている模様。 pic.twitter.com/yVSS4BILmj
猿の恨みは深いのです。
そんなある日、鬼女姫という女が鬼ヶ島からやってきた。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
なんと、彼女は鬼七の許嫁だという。
鬼女姫「もし、こういう鬼を知りませんか?」
猿「知ってます。その白鬼は今は鬼七という名前でタバコ屋をやってます。女房と一緒に。夫婦仲はいやらしいようで……」
行動が猿! pic.twitter.com/oy9alvjWWP
修羅場の予感…
鬼女姫は許嫁が人間と一緒になったと知り大激怒。一方、おふくのほうもお前許嫁がおったんかいと大激怒。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
おふく「お前みたいな角の生えた女が日本で暮らせるかい!」
鬼女姫「それなら角を剃り落としたる!」
なんと鬼女姫、自分の角を剃り落としてしまう。 pic.twitter.com/WCPnfWkQZx
やっぱり!
だが、おふくは怒りで頭から角が生え、なんと鬼に変わってしまった。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
鬼七はというと、鬼女姫が剃り落とした角を見てあれは金になると考えている。
思考が鬼!
鬼七は二人の戦いを止めることもできず逃げ出す。
寺まで行き、匿まってくれと頼み込む。
坊主「それなら釣り鐘の中にかくまいましょう」 pic.twitter.com/ZWPjUqYOGP
どんどん話はカオスな方向へ…
鬼になったおふくは大激怒。鬼七を殺そうと釣り鐘を目指す。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
しかし、鬼女姫は許嫁を殺させまいと必死になって尻尾を掴んでいる。
一方猿は鬼七に恨みがあるので、おふくを行かせるために尻尾を切り落とそうとしている。
発想が猿! pic.twitter.com/4JSMzHEqSD
三つ巴(?)の地獄絵図!
鬼女姫、許嫁を救えなかったと思い、おふくの尻尾に生えていた剣で自害する。 pic.twitter.com/zPeqPAZuRU
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
やめてー!
遅れて登場した桃太郎、鬼となったおふくを殺害。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
犬も同時に登場し、猿の首を踏み折って殺した。
猿、この世を去る。 pic.twitter.com/4bcknActRf
全滅した…
そして次のページ。
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
ここで話を打ち切った。
いきなり登場したのはこの本の作者。
釣り鐘の中の鬼七がどうなったのかも不明のまま終了。
そういうわけで、実は桃太郎にこんな続編が作られていた。 pic.twitter.com/QYIEWsAs25
終わった…
いかがでしたか?
エロ、グロ、ナンセンスの要素が全て詰まった、まさに江戸時代の娯楽の集大成とでも呼ぶべきこの続編…けれど、収集がつかなくなって、風呂敷を広げたままいきなり話を終わらせるその様は、現代の連載漫画も彷彿させますね。人々が求める娯楽は、いつの時代も変わりがないのかもしれません。
プレビュー画像: / © Twitter/ terada50397416