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ゴミ箱から財布を見つけたホームレス男性は持ち主にすぐ連絡をした しかしそれがまさかの結末をもたらすとは思いもしなかった

落とし物を見つけた時、特に財布や携帯電話など貴重品の場合は持ち主がきっと困っていると思い、なんとか持ち主の手元に返したいと行動を起こす人がほとんどだと思います。米国カリフォルニア州のショーン・カリーさんは昨年の12月、コーヒーショップの裏にあるゴミ箱を覗いたところ、そこで小さなお財布を見つけました。ショーンさんはここ5年ほどホームレスとして生活をしていました。

見つけた財布は、現金は抜き取られていたものの、クレジットカードがそのまま入った状態で、ショーンさんの友人は使ってしまえと言ったそう。しかしショーンさんは、「自分は良心に従って生きてきたし、今もそうだ」と、持ち主であるイブリン・トッパーさんに連絡をしました。

YouTube/NBC Bay Area

一方、イブリンさんはお財布を落としたことに気がつき焦りと落胆で気が狂いそうになっていました。彼女はカフェで飲み物を購入後、ポケットからお財布を落としてしまったことに気づかずに帰宅。お財布にはクレジットカードのほか、デビットカード、健康保険証など日々の暮らしに欠かせない貴重品全てが入っていたのです。

YouTube/NBC Bay Area

しかしショーンさんからの奇跡的な発見の連絡に「信じられない!」と驚愕。翌日彼女はカフェの駐車場でショーンさんと待ち合わせ、無事にお財布を受け取ることができたのです。しかし、ストーリーはここで終わりませんでした。

ショーンさんの善意の行いをイブリンさんから聞いた孫娘であるミカイラさんは感激し、あることを決意。間近に控えた自身の誕生日に、ショーンさんへの寄付を呼びかけたのです。

「誕生日にスキンケア用品やネイルとか、もうこれ以上いらないと感じていました。その代わりに寄付を募って本当に助けを必要としている誰かに渡したいと思ったのです」とミカイラさん。そしてショーンさんに連絡し、寄付を募ることの了承を得たそうです。

誕生日当日は、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、パーティーはドライブスルー形式で行い、ショーンさんの写真も併せて飾り寄付を募りました。当日の寄付や、ミカイラさんの母ヴァネッサさんを通して集まった総額はなんと約650ドル、日本円で約6万7千円にものぼる金額です。

YouTube/NBC Bay Area

集まったお金を受け取ったショーンさんは「(感謝と感激で)言葉にならない、とても温かい気持ちになった」とその時のことを後のインタビューで答えています。

YouTube/NBC Bay Area

そしてこの善意の輪はさらにショーンさんが予想もしない広がりを見せたのです。ミカイラさんの寄付を発端として、ショーンさんを支援したいという問い合わせが相次ぎ、ミカイラさん、そして母のヴァネッサさんらはクラウドファンディングを利用し、資金を募ることに。

年が明けた今月初旬、専用サイトgofoundme上で、集まったお金で車上生活を余儀なくされていたショーンさんに仮設住宅をプレゼントすること、そしてショーンさんの建設業の経験を生かし、地域のホームレスの人々のための住宅を作る計画を発表したところ、これまでに5万ドル(日本円で約510万円)を超える金額が集まっているのです。ショーンさん、そしてミカイラさんの優しさに共感した世界中の人たちから激励と共に寄付が集まりました。

ショーンさんは、ミカイラさんや支援してくれた多くの人、また自分自身のためにも、集まったお金で同じようにホームレスで困窮している人々を助けるためにお金を使っていきたいと語っています。ミカイラさんの行動にきっと勇気と大きな力をもらったことでしょう。

YouTube/BIOPHILIA botanicals Alice Encinas Duvernell

「財布をなくした人は困っているに違いない」ショーンさんの正直で真っ直ぐな気持ちから生まれた信じられないストーリー。誰かを思いやる優しさは、こうして連鎖して、やがては大きな力になっていくということを改めて感じさせられます。コロナ禍で誰もが厳しい日々を送らざるを得ない今、ショーンさんやミカイラさんの行動は人々の心に明るい光を灯してくれました。

この話の動画は以下よりご覧いただけます。(英語音声のみ)

 

プレビュー画像:© YouTube/NBC Bay Area