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コロナに感染した看護師は「必ず回復する」と家族にビデオを作った しかし数時間後に容態は急変し…

いまだに収束の気配が見えない新型コロナウイルスの感染拡大。

現在日本では、第3波が直撃していると言われています。繁華街を中心に若い人たちの間で感染が広がった第2波と異なり、第3波では家庭内での感染や60代以上の高齢者の感染が目立っています。

そんな中でも、長引く状況に危機感が麻痺し、ウイルスを過度に気にすることに嫌気がさしてきた、なんて人も多いでしょう。

そんな苦境に面しているのは必ずしも日本だけではありません。

今、メキシコのある看護師が撮影したビデオが、世界中で大きな話題を呼んでいます。

その看護師の名は、セルジオ・ウンベルト・パディージャ・フェルナンデスさん。

残念ながら、そのビデオは生前の彼の姿を映した最後のものとなってしまいました。

YouTube/La Ranchera de Cuauhtemoc 89.7 FM

鼻にチューブを通した状態で、自分の姿をビデオに撮影するセルジオさん。

看護師だったセルジオさんは10月22日、新型コロナの検査で陽性と判定されていました。しばらくは家で隔離生活を送っていましたが、11月5日、突如呼吸が困難に。病院に行ったセルジオさんは、そこで自分の肺機能の90%が失われていると知ったのです。

YouTube/La Ranchera de Cuauhtemoc 89.7 FM

セルジオさんはその事実を突きつけられた後、ひっそりと、自分を撮影したビデオメッセージを残しました。

「時が来たようだ。僕は何が起きても、神が私のために用意したどんな運命でも、みんなに僕が何者であるかを覚えておいてほしい。なぜなら僕は戻ってくるから。これは別れのあいさつなんかではないよ。必ず回復して、数日で戻ってくると信じているし、元気になってまた共に前に進もう。友人のみんな、そして大切な家族。愛しているよ。みんなが僕のために祈ってくれていることをいつでも知っているよ…」

ビデオを撮影した数時間後、セルジオさんは回復することなく亡くなりました。28歳の若さでした。

セルジオさんはパンデミックの影響を強く受けたメキシコ・チワワ州の病院に勤務していた看護師の1人でもありました。

セルジオさんは勇敢でした。

家族の多くが新型コロナに感染しており、8月には30歳の姉を新型コロナで亡くしたばかりでした。

妻と、5歳の息子もいたため、感染リスクの高い医療現場で働き続けることが気がかりで仕方なかったことでしょう。

しかしそんな状態でも、新型コロナに苦しむ人を救いたいと、看護師として病院の最前線で、最後の瞬間まで闘い続けたのです。

セルジオさんが残したビデオは以下よりご覧いただけます。スペイン語ですが、家族や友人を思う強い気持ちは言葉が分からずともしっかりと伝わってきます。

状況が長期化し、危機感が緩んでいる今日この頃ですが、常に自分の命を危機に晒しながら、私たちを救うために奔走している医療関係者の方がいるということを忘れてはいけないのです。