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2人の姿を見てまるで親子のようだと人は言う でも左の男性は多くの人の目に映らない

フランス人のマキシームは、地元リオンの街を何時間もかけて歩くのが日課でした。バッグにはいつもカメラを常備している彼は、道行く人々の「目に映らない存在」を被写体にし、写真を撮り続けてきました。

マキシームが撮るのは路上で暮らす人々です。

マキシームがこのプロジェクトを始めたのは、数年前、ボロボロの服を着た1人の男性に出会ったことがきっかけでした。彼のことが気になって思い切って声をかけたマキシームは、その男性としばらく会話をした後、別れ際に初めの1枚をカメラに収めました。

マキシームはモノクロの写真を撮ります。モデルを見つけると彼はまず、その人に食事やコーヒーをごちそうして会話を始めるそうです。

打ち解けた会話の中で撮影の話に入り、承諾を得ます。

警戒心が解かれていることが重要だとマキシームはいいます。撮る側と撮られる側、両方の意志が確かでないといけないのです。

写真を撮らせてもらった人に街のどこかで再会できた場合には、写真をプレゼントします。

これまで写した人々の中で、マクシーンの記憶に強く残っている男性がいます。2014年に出会ったジョエルです。

マクシームがジョエルに出来上がった写真を見せたとき、ジョエルは涙を流しました。それは写真の中に愛犬のロクサンヌがいたからでした。

マクシームはその時のことを次のように憶えています。

「写真が撮られた数週間後にロクサンヌが亡くなってしまったことを教えてくれた。心が熱くなった。懐かしそうに写真を見つめる彼は、嬉しそうだった。それが彼が持っているロクサンヌのたった1枚の写真だったんだ」

マクシームの作品は、すでに多くのギャラリーや展示会で紹介されています。普段は人の目に映らない人々に声を与えたいというのが彼の願いです。