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【なんじゃこりゃあ】あまりにも有名なジーパン刑事が死ぬシーン しかし優作の演技を見たとき監督は絶句した
松田優作と言えば、不世出のカリスマ俳優として多くの人々の記憶に残っています。「太陽にほえろ!」「探偵物語」など、今でもなお語り継がれる伝説的な作品に多く出演していますが、惜しくも40歳でその短い生涯を終えてしまったことも有名です。
もしかすると若い世代にとっては、同じく俳優の松田龍平、翔太の父親と言った方がピンとくるかもしれませんね。2人とも、父親の面影を強く残しています。
そんな松田優作とセットで思い出されるのが、なんと言ってもあの名シーン。
命をかけて救った男に腹部を銃撃され、血に染まる自分の手のひらを見ながら、「なんじゃこりゃあー!」と絶叫し息絶える…
人気シリーズ「太陽にほえろ!」の一幕です。
新人だった松田優作でしたが、このシーンの強烈なインパクトと共に、お茶の間にその存在感を存分に見せつけました。
「太陽にほえろ!」を知らずとも、そのシーンだけは知っているという若い層が多い事実も、インパクトの強さを物語っています。
しかし…実はこのシーン、当初の脚本には存在しなかったということをご存知でしたか?
そもそも松田優作は、レギュラーだったショーケンこと萩原健一の穴を埋める後釜としてキャストされました。ショーケンを超えるインパクトを出せる、どこかギラついたような感じの新人を求めていたプロデューサーの目に留まったのが、当時「文学座」の演劇研究所で演技の勉強をしていた松田優作だったのです。23歳でした。
松田優作は当時から、演出家(監督)が役者を作ってくれるのを待つのではなく、まるで彫刻家のように自ら積極的に役の像を作り上げていくようなスタンスを貫いていたのです。そんな鬼気迫る雰囲気で演技に取り組む松田優作を見て、プロデューサーは「これはひょっとしたら…」と可能性を感じ取ります。新人を起用することは高いリスクを伴いますが、賭けに出てみることにしたのです。
このような経緯で、ジーパン刑事こと柴田純として、シリーズに華々しく加わった松田優作。
ほどなくして、プロデューサーは、そしてお茶の間は、その選択が正しかったのだと知ることになります。
純は腹を押さえ、ガクンと膝をつく。
純「バカだなアお前は…」
ドサっと倒れ、純は空を見上げる。そして、純は死んだ。
純の殉職シーンは、当初の脚本ではこのように、比較的さらっとした感じで描かれていました。
しかし実際のシーンはこうなります。
(カメラの裏で本当になんじゃこりゃあと思っていたのは、もしかすると監督の方だったかもしれません)
