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アンビリーバボー

まさにトラウマ級!大人でもゾッとする「まんが日本昔ばなし」の怖い話10

1975年〜1994年の昭和後期から平成初期にかけて放送されたTVアニメ「まんが日本昔話」

「坊や〜良い子だねんねしな♪」のオープニングソングや、「いいないいな、人間っていいな♪」のエンディングソングを今でも空で歌える…なんて人も多いのではないでしょうか。

お馴染みの桃太郎や金太郎、一寸法師などのメジャーな物語だけでなく、日本各地に伝わる伝承話や昔話をアニメ映像化した昭和感満載な当番組は、教訓的なストーリーも多いことから「親が子供に見せたいアニメ番組」としても知られています。

子供向けの話が中心のまんが日本昔ばなしですが、ときには子供向けとは思えないような恐ろしい話が紛れ込んでいることも…

子供の頃にまんが日本昔ばなしの怖い話を見てしまい、トラウマとなっている人もいるのではないでしょうか。

人の業の深さとその深淵を覗き込むようなゾッとする話、世の理不尽を情け容赦なく描き出す救いのない話など、大人でも、いや大人だからこそ余計に怖いまんが日本昔ばなし、筆者の独断と偏見で選んだトラウマ級に恐ろしい10話紹介します。

1. 飯降山(いぶりやま)

厳しい修行のため、山に籠った3人の尼僧。殺生は禁じられているので、食べるものと言えば草や木の実などのみ。しかしある日、天から握り飯が降ってきたのをきっかけに、「もっと食べたい」という欲求が募り…欲に駆られた結果、生き物の殺生、果ては握り飯のための殺人…と恐ろしい結末を迎える。

当初は励まし合い、助け合いながら、修練に励んでいた3人だが、握り飯によって「一人殺せばその分多く食べられる」と殺害を重ねる年長の尼の心理にゾッとする話。

2. 佐吉舟

主人公の太兵衛が恋敵の幼馴染の佐吉を撲殺するシーンがひたすら怖い。恨みを抱えたまま亡くなる佐吉の表情、自分の犯した罪に恐れ慄く太兵衛の心理描写が生々しくゾッとする。

幽霊となって静かに現れ、恨みのこもった目で復習を果たす佐吉の顔も怖い。

3. 牛鬼淵

昔、伊勢の山奥に牛鬼淵と呼ばれる深い淵があり、そこには顔が牛で体が鬼という恐ろしい化け物「牛鬼」が住んでいると言われていた。その山奥の木こり小屋で寝泊まりしながら伐採作業をしていた二人の木こりを夜な夜な、怪しい男が訪ねて来ます。

しかし不思議なことに、年配の木こりが鬼を引き殺すことができる「鬼刃」という刃が付いているノコギリを見せると男はいつも黙って姿を消すのでした。

しかしある日、伐採中に鬼刃が折れてしまいます。「鬼刃が折れたことは口外するな」と相方の若い木こりに言い残し、年配の木こりはノコギリ修理に村へ降りることに。

その夜、一人で木こり小屋に残り酒を飲んでいた若い木こりを例の男が再び訪ねます。

うっかり「鬼刃が折れて、修理に出していてる」と口にしまった若い木こり。

すると今夜は鬼刃がないと知った男は恐ろしい正体を現します…

夜な夜な木こり小屋を訪れる男の不気味さもさることながら、「山を甘く見ちゃあいけねえ。山には恐ろしいものがいっぱいいる」という冒頭の年配の木こりの言葉が一層恐怖心を掻き立てる作品。

4. 夜中のおとむらい

深夜の帰り道、武士の葬列とおぼしきの行列とすれ違った侍。こんな夜更けに声ひとつ上げず静かに進む葬列を見て不思議に思った侍は、誰の弔いか尋ねるとなんと自分の弔いだった…ハッとして恐怖に駆られた侍が振り向くと、その行列はじっと彼を見つめていた…

ラストになって真相が明らかになり全てが繋がる不気味な話。

5. 吉作落とし(きっさくおとし)

吉作は親を亡くし、天涯孤独だが心優しい真面目な好青年でした。断崖絶壁の壁面に生えている岩茸を命綱に捕まって採り生計を立てていた彼はある日、山奥で岩茸取り作業の休憩中にうっかり綱を手から外してしまいます。

吉作の体重を支えて伸びきっていた綱は、彼が手を離した結果、手の届かない高さまで縮んでしまっていました。岸壁に取り残され、助けを呼んでも助けは来ず。家族もなく、一人暮らしの吉作が帰ってこないことに気づく村人もおらず、人里離れた山奥にこだます声吉作の声を聞いた旅人は化け物の叫びと思い込みと恐れ近づこうとしませんでした。

崖の上で耐えること数日、飢えと寒さで意識が朦朧とした吉作は崖から飛び降りてしまう。

ほんの少しの気の緩みで命を落としてしまった青年の悲劇。岸壁の上で彼が味わった孤独と絶望が生々しく描かれています。

6. 三本枝のかみそり狐

人を化かす「三本枝のキツネ」を退治しようと意気込む青年「彦べえ」は、キツネが出ると噂の三本枝の竹藪で目撃した赤子をしょった娘をキツネだと確信。おばあさんの家を訪れる娘の後をつけ、家に押し入ると正体を明らかにしてやると、赤子を取り上げ囲炉裏の火の中に投げ入れますが…

親子水入らずの他人の家に勝手に上がり込み、自分の短絡的な思い込みだけで赤子を奪い、炎の中に投げ入れる彦兵衛の狂った正義感が暴走するシーンに戦慄。

赤子殺しの罪に慄き逃げ出す彦兵衛と、孫を殺され穏やかな顔から突如、鬼婆のように豹変するおばあさん。いつになく不気味な絵柄と合間って恐怖が倍増、トラウマになりそうな恐怖回です。

(絵のタッチが恐ろしすぎて、鬼婆となったおばあさんがトップレス状態になっていることすら、しばらく気づきませんでした)

7. 十六人谷

「明日、谷にある柳を切らないで下さい」と見知らぬ美しい女に頼まれた木こりの弥助。しかし翌日、弥助の静止を振り切り仲間たちは柳を切り倒しまう。

その晩、小屋で弥助たちが眠っていると昨夜の女が現れ、寝ている15人の木こりを一人ずつ…

木こりたちを謎の女が殺すシーンが恐ろしすぎる上に、事件を回想する弥助の最期にもゾッとするトラウマ回。

8. 子取り

働かずいつも遊んでばかりの夫・作兵衛は妻のおタツと2歳の子供との3人暮らし。夫婦は子供に着せる着物を買う金もなく、食べるものにも事欠くほど困窮していました。

ある日、父親から金を借り今度こそ改心しようと誓った作兵衛でしたが、悪友に誘われまた博打遊びをしてしまいます。

帰ってこない作兵衛…家ではおタツが、晩御飯を作りながら泣き続ける子どもに苛立ちを募らせていました。「泣き止まんと子取りに取らせるぞ!」とおタツが子どもを脅すと…

ワンオペ育児で泣き止まない子供、働かない夫、貧しい生活…追い詰められた精神状態からつい「(子供を)取りに来い!」と叫ぶ妻の心理につけ込むように、土間からヌッと現れる巨大な得体の知れない手が不気味。

9. 茸の化け

山奥に一人で暮らすおばあさんを毎夜訪ねてくる謎の3人娘。どこからともなく現れ、いつの間にか家に上がり込んで不思議な歌を歌う彼女たちの正体はなんと…

化け物に取り憑かれ、日ごとに生気を失うおばあさん。おばあさんを取り殺そうとした化け物の意外な正体もさることながら、毎夜歌い狂う娘たちの狂気に満ちた目が恐怖心を煽る。

10. とうせん坊

物心ついた頃には親はなく、天涯孤独の身で寺で育ったとうせん坊。大柄でお経を覚えることができず和尚や坊さんや子供達に「うすのろ」と苛められて育った。そんな連中を見返してやりたいと思ったとうせん坊は、観音堂にこもって「力持ちになりたい」と祈り続けた。満願の日、彼は百人力を授かるが…

社会から拒絶された男の絶望はやがて鬱屈と狂気に変わり、見境なく人を殺す殺人鬼と成り果ててしまう。嫌がらせをする村人たちの浅ましさ、一人の男を容赦なく追い詰める閉鎖的な人間社会の恐ろしさにゾッとする作品。

社会によって殺人鬼となったとうせん坊の末路はあまりにも悲しい。

大人が安心して子供に見せられるアニメ、まんが日本昔ばなしの中でも異彩を放つ恐怖回。子供どころか、大人が見てもトラウマになりそうな心理的にも怖い10話。

人の優しさや人情に触れる物語も多く、道徳的・教訓的観点からも子供に是非見てほしい同番組ですが、今回紹介した怖い10話以外にも「イワナの怪」「三枚のお札」「牛飼いと山姥」「おいてけ堀」など、子供心に強烈に記憶に残るであろう恐怖回数多くあります。

子供の頃見ていてもう一度見返したい方や興味のある方は、まんが日本昔ばなしDVDなどで鑑賞してみてはいかがでしょうか?子供目線とはまた違う新たな発見があるかもしれません。

かくいう筆者もまんが日本昔ばなしをを見て育った世代。当時、幼心に強烈な印象に残った恐怖回を大人になってから見返して「意味がわかる分、余計に怖い」と改めてゾッとしました。

プレビュー画像: ©︎twitter.com/Takumi