ジーンとくる話
暴れ馬を引きとった男性は2年かけて馬と信頼関係を築いた そして彼の葬儀の日棺に横たわる彼を見た馬がした事に人々は思わず手で口元を覆った
物資の運搬や荒地の開拓、また農地の耕作など、私たち人間の文明発展に古くから貢献してきた馬。馬はとても温厚で優しい性格をしており、頭がとてもいいと言われています。また、人の言葉を話さなくても、優しく接してくれる相手はしっかりと記憶していて、一度信頼関係を築いた人は絶対に忘れないとも言われています。
アメリカ・ウエストバージニア州に住むジャンナ・フラッパーハウスさんが、今年10月他界した父親の葬儀の日に起きたエピソードをFacebookで紹介。多くの人から反響が寄せられています。
ジャンナさんの父親はメジャーという名前の馬を飼っていました。しかし、そのメジャーは彼が引き取った当初、たいへんな暴れ馬でした。ジャンナさんはメジャーを迎えて間もない頃の母親からのこんなメッセージが忘れられないといいます。
「あの馬を手放すよう父さんを説得して。彼が馬に殺されてしまうわ!」
飼い主を殺しかねないと言わせたくらい凶暴なメジャー、実は別の飼い主から受けたある壮絶な虐待がその荒々しさの原因だったのです。
前飼い主は、若く凶暴だったメジャーを乗り慣らすことができず、調教と言いながらメジャーを殴り、柱に彼の頭をくくり付けて立たせたまま、4週間もの間水も食べ物も与えないなどの虐待をしていたそう。
そんなトラウマ体験からますます人へ対し攻撃性が増したメジャーは、引き取った当初、脱走をしたり、近づいた人に噛み付くなど暴挙の連発。
ジャンナさんの母親がSOSメールを娘に送る理由も肯けます。しかし、ジャンナさんの父はメジャーを手放すことを決してしませんでした。
「父は決してメジャーを 諦めることなく、メジャーの心に寄り添い信頼関係を築くために毎日毎日何時間も費やしていました」
そうしてまる2年が過ぎた頃、メジャーはジャンナさんの父親に心を開き、彼がメジャーに乗ることを許し、そして彼が出かける時は「いってらっしゃい」のキスを何度もするようになったそう。
ジャンナさんの父親と深い信頼関係を築いたメジャー。葬儀の日に棺に横たわる主人を前に、その行動で周囲を驚かせたのです。
それがこちらの写真。
ジャンナさんが「最後のキス」として投稿したその写真には、心を許した主人へのお別れのキスをするメジャーの姿が写されていました。自分を大切にしてくれた主人にそっと寄り添うメジャーの姿に多くの人が涙し、この投稿はこれまでに17万回以上シェアされました。
「彼らの間には、馬を愛する人だけが理解できる絆がありました」
ジャンナさんは投稿の最後にこうコメントしています。
どんな時も愛し続けてくれたジャンナさんの父親をメジャーは決して忘れることなく、そしてこの先も深く愛し続けることでしょう。
