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トリビア

ファンが小さな違いに気づくまで、このアスリートは危険に全く気付いていなかった。

有名人はとかく人々の注目を集めます。自信のFacebookやその他SNSを公開している有名人はなおさらです。ファンの中には取りつかれたようにネット上の写真を細部にまで調べているような人もいて、何かが見つけたとたんに雪崩のようなコメントの集中砲火を浴びせられてしまうことも少なくありません。

多くの人から注目を浴びるのは気分のいいことかもしれませんが、当然負の側面も持ち合わせています。大勢のファンが四六時中監視の目を光らせていれば、常に付け回されていると感じる有名人も多いはずです。しかし、水泳のオーストラリア代表としてオリンピックにも出場したマック・ホートンの場合は、ファンの熱烈な注目によって命を救われることになります。

2016年のリオデジャネイロオリンピックで、マックは400メートル自由形の種目で見事金メダルを獲得しました。しかし彼の興奮は、ファンから彼の元に届いた1通のメッセージによって一瞬でかき消されてしまうことになります。このファンはマックの写真を隅々まで確認した結果、マックの胸にあるほくろが2012年の時よりも大きくなっているということに気づいたのだそうです。

マックの熱烈なファンだというこのメッセージの送り主は、すぐに皮膚科を受診するべきだという警告を届けようとしていたのです。彼はこの忠告を真剣に受け入れ、このほくろを調べてみることにしました。

10月、マックは一枚の写真をアップしました。そこには上半身裸で胸に絆創膏を貼った彼自身の姿とともに、この文章が添えられていました。

「水泳チームのドクター向けにメールを送り、ほくろを調べてもらうべきだと僕に忠告してくれた人に叫びたい。『ありがとう!よくぞ教えてくれた!』」

実はこのほくろは、皮膚がんとなっていたのだそうです。もしマックがこの忠告を受けず、今回のようにごく初期の段階で手術を受ける機会を逃していれば、このほくろは命を脅かす危険もあるメラノーマ(悪性黒色腫)に成長していた可能性があり、治療が非常に難しくなってしまっていたことでしょう。今回は幸いにして、手術の結果ほくろは危険な状態になる前に切除することに成功したそうです。

オーストラリアは皮膚がんを発症する人の割合が世界で最も多いことで知られています。国民の実に66%が一度は皮膚がんを発症し、年間でおよそ2000人もの人々が亡くなっているそうです。皮膚がんの原因として考えられているのは、紫外線のレベルが非常に高いことだそうです。

幸いなことにマックにはとても熱心なファンがいて、非常に細かい部分にまで目を光らせてくれたおかげで命を救われました。しかしそんなファンを持たない私たちは、自分の身体の変化に常に気を配り、何かおかしいと感じたことがあればすぐに医師に相談することを心掛けましょう。