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【余命170日の息子】ガンに冒された息子のそばにいたい…そんな父親の願いを叶えた同僚たちの贈り物は、日本では絶対に使えないものだった!

youtube/CLIP 13

クリストフは、絶望の淵に立たされていました。9歳の息子のマティスが、小児がんに冒されていたのです。フランスの会社に勤務していたクリストフは、マティスの看病のため何度も休みを取らざるを得なかったため、有給休暇がついに底をついてしまいます。クリストフは途方に暮れました。

「息子といられる時間が欲しい…。」
しかしクリストフが仕事を辞めてしまっては、マティスを養い、治療するための術もなくなってしまいます。この時のクリストフの苦悩は、想像を超えたものだったに違いありません。

事情を知った同僚たちはクリストフのことを心配し、自分たちに何かできることはないかと考え抜いた末、ある提案を会社に持ちかけます。
「私たちの有給休暇を、クリストフにプレゼントすることはできないでしょうか?」
この前例のない提案を聞いた上司は、さぞや驚いたことでしょう。しかしクリストフの事情を会社側も把握していたため、その申し出を受け入れたのです。

flickr/zongo

プレゼントの総量は、実に有給休暇170日に及びました。フランスの有給休暇は年に5週間ほどあると言われており、170日という日数は、10人が自分たちの1年分の有給の半分を寄付した量に相当します。

こうしてクリストフは、同僚たちの温かいサポートのおかげで、半年間マティスと寄り添える時間を手にしたのです。そしてマティスは、天国へ旅立って行きました。しかしクリストフは、マティスと最期の日々を共に過ごせたことを、深く感謝していました。

youtube/CLIP 13

クリストフは立ち上がりました。自分と同じ境遇にある人を救いたいという思いから、あるアイデアを議会に提案し、様々な会社を回りながら、キャンペーンを行ったのです。その努力が実り、3年後、ついにフランスで新たな法律が成立します。

その名も、『マティス法』。障害や病気を抱える20歳以下の子供を持つ従業員に対して、職場の同僚が自分の有給休暇を寄付することができる法律です。クリストフは、同僚から受けた恩を他の人にも広げたいという気持ちだったに違いありません。

Twitter/ParlonsRH

その法律の成立から4ヶ月後。フランス北部に住むジョナサンにもまた、腎臓がんに冒される4歳の娘マリンを心が潰れそうな気持ちで見守っていました。仕事のために、13cmにも及ぶ腫瘍の摘出と、31週間の抗がん剤治療に耐える娘のそばにいてやれないことを、とても心苦しく思っていたことでしょう。そんなある日、ジョナサンが受け取った手紙には、驚くべきことが書かれていました。

それは、なんと350日もの有給休暇の寄付がジョナサンに集まっているということでした。当然、それを可能にしたのは、クリストフが提案したマティス法です。

こうしてジョナサンはすべての時間をマリンのために費やすことができたのです。結果としてマリンは見事にがんを克服し、幼稚園へ通えるまでになりました。マリンにとって父親がそばにいてくれることはとても心強かったことでしょう。

Twitter/pictanews

病気の回復は、精神面が大きく影響すると言われており、この法律が子供達の治療に寄与できる部分は大きいのではないでしょうか。雇用主からしても、空いた穴は他の従業員が埋めてくれるため、さほど大きなデメリットはないと言えるでしょう。息子を失ってもなお、強い精神でこの法律を成立させたクリストフ。彼に続くように、日本でも同じようなシステムが広まってくれると嬉しいですね。

「マティス法」について、あなたはどう思いますか?