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出産した女性は赤ちゃんの顔つきに違和感を抱いた。判明した原因に胸が痛む。
ジャッキーとオーリンのアーノルド夫妻に待望の第一子が誕生した当時、何もかも予定通りに進んでいるかのようでした。子供のいる家庭を持つことを夢見ていた二人の夢が実現したのです。当初は全てが順調で夫妻の長男ローガンは健康そのものに見えました。
ローガンはいつもご機嫌で微笑みを絶やさない赤ちゃんでした。しかしジャッキーとオーリンは息子が正常ではないことにすぐに気付き始めます。
ローガンの顔は新生児にしてはとても面長で左右の目はかなり離れていました。また、耳たぶも上向きにめくれ上がっていたのです。母親のジャッキーによるとローガンは赤ちゃんというよりは「お年寄り」のような顔つきだったそうです。
何かがおかしいということをジャッキーとオーリンは感じ取っていました。そして生後10日目にしてローガンは突然、授乳やミルクを受け付けなくなります。夫妻は息子を医師に診せ、一体何が起きているのかを究明しようとしました。
医師はローガンの生存のための緊急手術を行いました。しかしローガンの身体的特徴と食欲不振の重要な関連性を結びつけることはできませんでした。
医師はローガンが腸管疾患であると診断しましたが、オーリンはそれが食欲不振に影響を及ぼしたわけでなはいと確信していました。その後オーリンはインターネットで調べていくうちに、人生を変えるある発見をしました。
ローガンの症状や性格的特徴、特にいつも嬉しそうにしている事実についてネットで調査していくうちに、オリーンはこれらがわずか数名の医師しか知らない、ある希少な遺伝子的症状群に当てはまることに気づいたのです。
「子供達の写真を見ているうちに、まさに息子の生き写しのようなアイルランドの幼い少女を見つけました」
その幼女は世界中でも300例しか発症報告のない極めて希少な疾患であるモワット・ウイルソン症候群を患っていました。ローガンも同じ疾患を患っているに違いないと、そのときオーリンは確信したといいます。
その後、遺伝医学者による血液検査の結果、ローガンがモワット・ウイリアムソン症候群であることが確定しました。同疾患は通常、重度の知的障害をもたらし、ほとんどの患者は適切な会話を学び習得することはできません。
モワット・ウイリムソン症候群の患者の半数と同様に、ローガンも強い痛みを伴う腸管疾患ヒルシュスプルング病を患っていました。この疾患は非常に体力の消耗性が高く、排便困難を伴うものです。
しかし障害を抱えながらも、ローガンの明るく愛情深い性格は損なわれることはありませんでした。母親曰く、彼は「世界で最も幸せな子供」だそうです。
ローガンの疾患が極めて希少な難病であるため、十分な知識のある担当医師を見つけることは簡単なことではありませんでした。
「たいていの場合、ローガンを医師に診せるときには疾患症状について説明しなければいけません」
同疾患についての情報もまだあまりないのが現状です。幸いにもアーノルド夫妻はSNS上で同疾患に苦しむ小児患者の親たちが意見を交換できる掲示板サイトを見つけました。精神的にも辛い時期、このサイトの同じ環境にある人々の支えは夫妻にとって大きな救いとなりました。
現在、妹ラッキーのお兄ちゃんになったローガンの将来は先が見えないものですが、家族は一日一日を大切にしながら生活しています。同じ年頃の男の子と同じように野球に夢中なローガンは過去二年間にアメリカンリーグの特別な支援を必要とする子供達のためのイベントで試合も体験しました。
ジャッキーとオーリンは同疾患に苦しむ小児患者の親のための登録サイトMowat-Wilson Syndrome Foundation(モワット・ウイリアムソン症候群基金)の活動に関わっています。同サイトでは50を超える患者のデータベースを管理しており、症状を緩和する糸口を見つけることができるればと願う患者の親たちが互いの子供たちの医療履歴をシェアできるようになっています。
こちらからローガンのエピソードを視聴できます(英語音声のみ):
ジャッキーとオーリンにとってローガンはまさに無条件の愛そのものです。ローガンの抱える難病は家族に困難な課題を突きつけましたが、それと同時に家族をより強く団結させるものでもありました。ローガンに正確な診断を下すため、努力を重ねた両親のことですからきっと今後もモワット・ウイリアムソン症候群の治療法と患者がより良い生活を送るためのヒントの発見のために奔走し続けることでしょう。適切な治療方法が一日も早く確立されますように。
