ストーリー
ジョーク: いかついバイカー、愛車を盗まれる
レザージャケットを身にまとった強面髭面の巨漢バイカーが見知らぬ街にやってきました。パブの前に愛車のバイクを駐め、ビールを一杯飲もうと店内に入りました。
このパブは新参者の客に対してちょっとしたイタズラを仕掛けるという習慣があることを、このバイカーは知りませんでした。ビールを飲み終えバイカーが外に出ると、そこに駐めたはずの愛車がありません。
怒り心頭のバイカー、パブに戻ると拳をカウンターに置いたグラスが飛び上がるほどに激しく叩きつけ、がなり立てます。
「俺のバイクを盗んだのは、どこのどいつだ?」
誰も答えようとする者はいません。バイカーは怒鳴ります。
「よし、もう一杯ビールを飲んでやるから、それまでにバイクを元どおりの場所に戻しておけ。さもないと、去年の9月にしたことと同じことをしてやるぞ!いいか、俺だってしたくはないが、やってやる!」
バイカーのあまりの剣幕に恐れをなした何人かの客はパブを後にしました。ビールを飲み終えたバイカーはパブを出ます。
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そこには何事もなかったかのようにバイカーの愛車がありました。
満足して愛車にまたがり、発車させようとすると、パブの経営者が現れ恐る恐るバイカーに尋ねます。
「すみません、去年の9月に一体なにがあったんですか?」
バイカーは口を開きました。
「歩いて帰るしかなかったんだよ」
