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えらい

「車いすは命と同じ」航空会社に預けた車いすを壊され、涙ながらに訴える女性のビデオが話題に

空港で受け取った荷物の破損、皆さんも経験あるかもしれません。明らかに乱雑に放り投げたことが分かる傷やへこみには本当に頭にきます。ましてや自分の大切なものに深刻なダメージがあったら…まさに悪夢です。

アメリカのニューヨークに住むガブリエル・ドフィーブルは、友人たちと旅行で、この悪夢のような体験をしました。32歳のガブリエルは横断性脊髄炎を患っています。脊髄を侵す神経免疫疾患で、運動障害、激しい筋力低下、制御不能な震えなどの症状が出ます。身体の動きが大きく制限されるため、日常生活を送るには車いすが必要です。

 
 
 
 
 
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ガブリエルの車いすは特注です。脚、腕、身体のサイズに合わせてピッタリに作られ、片手しか動かせない彼女のために必要なボタンやレバーが機能している手の届く範囲に配置されており、強力な電動モーターで動きます。この車いすがなければガブリエルは自分で動くことさえできません。

車いすユーザーが飛行機に乗る場合、車いすは貨物室に収納され、持ち主は座席に座ります。ガブリエルは、障がいのある友人から車いすが飛行機で破損した体験談を聞いていたため、不安はあったと言います。それでも、同じく車いすユーザーの友人たちとの女子旅を楽しみにしており、旅行前の不安を打ち消していました。

しかし、着陸後、彼女の不安は現実のものとなってしまいました。彼女の大切な車いすの片側の車輪が、ひどく破損し、回転しなくなっていたのです。

©TikTok/briscalesse

ガブリエルは冷静さを失いました。車いすは彼女が自立して行動できる唯一の手段。彼女は移動する能力だけでなく、他人の助けに依存せずに生きる尊厳も奪われたのです。客室乗務員が呆然と立ち尽くす中、ガブリエルは涙ながらに、車椅子は文字通り彼女の生きる術なのだと説明しようとしました。

一緒に旅をした友人のブリーは、この光景を携帯電話で撮影しはじめました。泣いている友人を撮影するのは一見、不謹慎だと感じるかもしれませんが、同じく車いすユーザーであるブリーはその理由をこう説明しています。

「航空会社に車いすを壊されて泣きじゃくる親友を見て本当に辛かった。彼女は『車いすは命と同じ。これは私の唯一の生きる術なんです』と繰り返し訴えています。私たち車いすユーザーは、飛行機に乗るたびに大切な車いすが壊されるのではないかと恐れています。私は仲間が苦しむのを見るのはもう嫌です」

彼女はこの場面を記録しておくことは、仲間のためにもなると考えました。車いすユーザーが飛行機に乗るときに、どれだけのリスクを冒しているのかという現実を知ってもらうことになるからです。

動画はこちらからご覧いただけます。

@briscalesse

When is this going to stop? #fyp #disabilitiyawareness #wheelchair @geeg_def

♬ original sound – briscalesse

この動画はガブリエルの許可を得て、ネットに投稿され、瞬く間に拡散し、1600万回以上も再生されました。世界中の視聴者から航空会社へのクレームが入り、ガブリエルには温かい励ましの声が届きました。何よりも良かったのは旅行先のフェニックスに住むある人が、ほぼ同じ仕様の車いすを滞在中に貸してくれたこと。おかげで、ガブリエルは仲間たちと5日間のフェニックス滞在を楽しむことができました。

 
 
 
 
 
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ブリーは別の動画で、優しい応援メッセージを送ってくれた視聴者に感謝を述べています。航空会社は、両車輪の交換費用の負担を約束したそうです。もし、ブリーがこの事件を大々的に公表していなかったら、航空会社がここまで快く責任を引き受けたかどうかはわかりません。

ブリーの動画には、何十人もの車いすユーザーが同じような体験をしたとコメントしています。フライト中に車いすが破損する事故はかなり頻繁に起きており、だからこそ車いすユーザーにとって飛行機での旅行は恐怖なのです。

ガブリエルやブリーは、車いすは自分たちの生きる術であり、それなしでは生活が成り立たなくなることを知ってほしいと訴えるとともに、自分たちの体験が大きな問題を是正するきっかけになってほしいと語っています。

プレビュー画像: ©TikTok/briscalesse