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線路に落ちた女性の頭の上を列車が通過した。その後5か月もの間、彼女は2人分の命を守り抜いた。
ロシア・モスクワに暮らすヴラジーミルとマリアのクドゥリニ夫妻は、アツアツのおしどり夫婦です。マリアに子供ができたことが分かると、2人の新婚生活は幸せの絶頂期に入りました。
お腹の子は順調に成長し、ヴラジーミルとマリアは親になれるのを心待ちにしていました。しかし、そんな夫婦をある朝悲劇が襲います。
共働きの夫婦は、毎朝必ず一緒に家を出ていました。しかしその日、ヴラジーミルは体調を崩していたため、マリアは1人でペレデルキノ駅へと向かいました。
ホームへと続く階段の途中ですでに電車がホームに入ってくるのを見たマリアは、急いで階段を駆け上がり、ホームの前方に行って車両が停車するのを待ちました。
次の瞬間、マリアはバランスを崩してホームから転落、電車の前に投げ出されてしまったのです。マリアは、電車にはねられて頭を強打。電車の車輪がレールの上を移動するのを眺めながら、意識を失います。
マリアは、すぐ近くの病院に運び込まれました。医師たちは、電車にひかれた女性が生きて運ばれて来たことに驚いたそうです。マリアが妊婦であることがわかると、一刻の猶予も許されない状況となります。知らせを聞いて病院に飛んで来たヴラジーミルに医師たちは何も約束をすることが出来ませんでした。マリアは、生と死の狭間で戦っていました。
医師の手に預けられたのは、母と子、2つの命でした。手術は耐えきれない、きっと助からないだろうと担当医は考えていましたが、マリアは命にしがみつき、医師たちは彼女の生命力に心打たれたといいます。
マリアの意識が戻らないまま、2か月が過ぎます。担当医は悩んだ末に、お腹の子供を帝王切開で取り出す決断を下します。子供を救うためには、他の策は残されていませんでした。しかし昏睡状態ので行われる手術のリスクは高く、皆が奇跡を信じて祈りました。
見事手術は成功。娘オクサーナが眠るマリアのお腹から元気に生まれてきました。早産のため、しばらくの入院が必要でしたが、この時のヴラジーミルの喜びは計り知れないものでした。
「奇跡が1つ起こったなら、きっともう1つ起こる」ヴラジーミルの祈りが通じます。
出産後、マリアが少しずつ意識を取り戻し始めたのです。まるで、母性が彼女を覚ましたかのようでした。科学では説明できない現象です。病院中の人々が、この2つの奇跡に驚きました。
マリアはまだ歩くことも喋ることも出来ませんが、目まぐるしい回復を見せているそうです。また、周りで起きていることをよく理解しているそうです。ヴラジーミルは、そんな妻のために治療費の募金活動を始めました。マリアはきっと元気になる、と医師たちもようやく前向きな予想を出してくれたそうです。
クドゥリニ家に起きた出来事は、奇跡としか言えません。本当によかったですね!マリアがオクサーナを抱ける日が一日も早く訪れんことをお祈りしています!
