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89歳になっても生活費を払うためピザ配達員として働く男性 しかしそんな彼にある思いがけないサプライズが待っていた
超高齢化社会に突入した現在。公的年金の受給額の減額や、年金の受け取り開始年齢が引き伸ばされたりと、将来の老後生活に不安を抱いている人は多いのではないでしょうか。
旅行や趣味などを楽しむゆとりある老後生活を送るには、年金とは別に単身世帯の場合1500万円程、2人以上の世帯の場合は3千万~4千万は老後資金として必要だと言われています。一昔前は60歳で定年退職が通例でしたが、今年「70歳就業確保法案」が可決され2021年4月から70歳定年制が施行されるなど、高齢者も働く時代となりつつあります。
老後の生活も決して安泰ではないこれからの時代、しかしそんな老後にまつわる不安を抱えているのは日本だけではないようです。
ある高齢男性にまつわるエピソードがSNSで大きな反響を呼びました。米国ユタ州に暮らすカルロス・バルデス。たびたびピザをデリバリーするこのカルロス一家にとってお馴染みとなっていたのがピザを配達する89歳のダーリン・ニューウィーです。
「ハロー、お待ちかねのピザですよ」と、いつも朗らかにピザを配達するダーリンの熱心な仕事ぶりをカルロスは動画投稿アプリ「TikTok」で紹介。誠実で優しい人柄が伝わるダーリンの姿は5万3千を超えるフォロワーの心を捉え、ちょっとしたTikTok内の有名人だったようです。
しかしなぜ、89歳という高齢でありながらピザの配達をしているのか?といったコメントがフォロワーから相次ぎました。本来ならば、とっくに退職しているはずの年齢です。おそらく金銭的事情があるのでしょう。
そこで、カルロスはフォロワーに呼びかけダーリンへの寄付を募ることにしました。
多くのフォロワーが寄付に応じた結果、合計12069ドル(2020年10月現在、日本円にして約127万円)の寄付金が集まりました。
送り主の名義には「TickTokファミリーより」と書かれた寄付金を渡しに、ダーリン宅を訪問するカルロス。(渡しに行く様子は1分11秒あたりから始まります)
ダーリンの反応はこちらの動画からご覧いただけます。(英語音声のみ):
89-year old Derlin Newey started delivering pizzas to make ends meet. He never thought one of his customers would change everything. Here’s our story for @KSL5TV on the delivery he never saw coming. #ksltv #goodnews
🎥 @JDortz_Photog pic.twitter.com/WEJdOKoVnN
— Alex Cabrero (@KSL_AlexCabrero) September 23, 2020
TickTokについては全く知らないダーリン。しかし、フォロワーの善意で集められた寄付金を前に、感謝のあまり言葉を失います。
「なんてお礼を言えばいいのか…言葉がないよ」と感激の涙を浮かべます。
一人暮らしのダーリンは年金では生活費を賄うことができず、生活のためにピザ配達員として週30時間働いていたのです。本来ならばゆっくり余生をおくるはずの89歳の高齢者が働かざるを得ない状況は、この国の社会保障制度の行き詰まりを如実に表しています。
この様子は地元ニュースでも取り上げられ、多くの人々の心を揺さぶりました。
「ありがとう、この言葉しか思いつかない」と感謝するダーリン。思いがけない善意のプレゼントを受け取ったダーリンが、今後少しでも勤務時間を減らすことができるといいですね。おそらく、彼のように経済面で苦境に立たされる高齢者は今後も増加することでしょう。超高齢化社会に突入した日本でも、生活に困窮する一部の高齢者の支援対策は大きな課題の一つです。
プレビュー画像:©︎Twitter/KSL_AlexCabrero
