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【ある一家を襲った悲劇】4歳の幼児を残し…新型コロナウィルスに感染し命を落とした両親

新型コロナウイルスが世界で猛威を振るうなか、日本でもこのウイルスによる死者数がすでに7000人を超えています。米国では状況はさらに深刻で、推定50万人以上が亡くなっていると伝えられています。その多くは65歳以上ですが、当初言われていた「若いから重症化しない」というのは間違いだったことも分かっています。アメリカのテキサス州から伝えられた悲しいニュースが示すように、若い世代でも重症化し、死亡するケースが増えてきているのです。

2020年の初め、4歳のライデンくんは両親と幸せに暮らしていました。しかし、父親のエイダン・ゴンザレスさんがトラック運転手としての仕事を新たに見つけた直後に悲劇が始まりました。仕事の引き継ぎを担当していた同僚に体調の異変がおきたのです。エイダンさんは安全対策を怠らず、常にマスクをしていました。同僚が感染したのでは…と心配するエイダンさんに上司は心配するなと言います。しかし、その同僚はSARS-CoV-2と診断されました。

しばらくして、エイダンさんの感染も判明します。状態は悪く、すぐに病院に運ばれました。「病状は日ごとに悪化し、すぐに手の施しようのない状態になりました」とライデンくんの祖母ロージーさんは言います。結局、エイダンさんは、2020年6月26日、2週間の闘病ののちに天に召されました。まだ33歳という若さでした。ライデンくんの母マライアさんは、4歳になる息子に「パパは天使になって、これからもずっとあなたを見守っているからね」と話したそうです。

夫の死後、マライアさんはライデンくんを連れて、ロージーさんの家に引っ越しました。29歳の母親は、夫を失った悲しみによりうつ病を発症しましたが、少なくとも身体症状はありませんでした。夫と同じく、彼女も常にマスクをし、用心していました。しかし、10月5日の夜、マライアさんは胸の痛みに気がつきました。最初はパニック発作かもしれないと考えました。しかし、容態は急激に悪化。救急車を待つ間、マライアさんは母ロージーさんに「私と一緒にいて」と言ったそうです。それが、ロージーさんが聞いた娘の最後の言葉となりました。

病院でコロナウイルスの陽性が確認され、わずか1日でマライアさんは帰らぬ人となったのです。「娘に会うのがこれで最後だなんて思ってもみませんでした。なにもかもがあっという間で信じられません」とロージーさんは語ります。

ロージーさんは遺されたライデンくんに、「ママとパパは天使になって天国からいつもあなたのことを見守っているよ」と説明しました。しかし、幼いライデンくんは父親がウィルスに感染して今は天使になったということは理解していても、母親が突然いなくなったことを信じることができなかったそうです。

ライデンくんが5歳になる日、近所の人々は家族とともに、彼に忘れられない誕生日サプライズを用意しました。ライデンくんの家の前に大きな飾り付けを用意し、キャラクターの着ぐるみやヒーローのコスチュームを着て、彼にプレゼントを贈ったのです。また、地元警察のパトカーが家の前をパレードし、トラックドライバーだったパパの同僚たちもトラックでパレードに参加するなど、街ぐるみで幼いライデンくんにエールを送りました。

「ライデンのために特別な日を用意したかったんです」とロージーさんは言います。「彼の両親は本当に素敵なカップルでした。いつも笑っていて、いつもご機嫌で。ライデンも彼らによく似ています。愛嬌があって、ハグしてほしくて、いつも私に『大好きだよ』と言ってくれるんです」

短い間にパパとママを相次いで亡くしたライデンくん。現在はおばあちゃんと叔父さんと一緒に暮らしています。この先の彼の人生が愛情に満ち、幸せなものであるようにと心から願うばかりです。

プレビュー画像: ©Facebook/Rozie Salinas ©Facebook/Rozie Salinas