コロナに感染した家族を救った小学校の先生の勇気ある決断

コロナウイルス感染拡大が深刻なアメリカから、生徒の家族を救うために勇気ある決断をした小学校の先生の心温まるニュースです。

発端は2020年3月31日、アメリカ、コネチカット州スタンフォードの小学校で語学教師をしているルチアナ・リラのもとにかかってきた1本の電話でした。

電話口では女性が荒い息をしながら「先生の助けが必要なんです」とスペイン語で訴えていました。「夫と息子の手助けをしてほしいのです。夫に電話していただけませんか?」

電話をかけてきたのは、ルチアナのクラスの1年生の生徒、ジュニアくんの母親ズリーでした。

保護者会で会っただけの保護者からの突然の電話にルチアナは困惑しました。

ズリーは病院から電話をかけていました。妊娠8ヶ月だったズリーはコロナウイルスに感染したことが確認されたと言うのです。さらに感染により息切れがひどく、緊急帝王切開に移行することが決定したところでした。

多言語を話すことができるルチアナは、ズリーの家族と医療スタッフの間の通訳を頼まれました。通訳としての役割は無事に果たせましたが、状況は刻々と悪化していきました。

電話があった翌日の4月1日、ズリーは予定よりも5週間早くに赤ちゃんを出産しました。ネイセルと名付けられた赤ちゃんは新生児集中治療室に入れられ、 COVID‐19に罹患した母親のズリーは挿管され昏睡状態に陥っていました。「医師たちは母親が回復する望みは薄いと考えていました」とルチアナは振り返ります。

しかし、問題はそれだけではありませんでした。夫のマービンと息子のジュニアもコロナウイルスの検査を受ける必要がありました。もし父親と息子が陽性であれば、誰がネイセルの世話をするのでしょうか。

期せずして、この状況に巻き込まれたルチアナは、教師や臨時通訳としての役割をはるかに超える決断を下しました。

ルチアナはズリーの夫マービンにこう提案したのです。「あなたは私のことをよく知らないでしょうし、私もあなたとは面識もありません。でも、もしよければ、検査を受けるまで赤ちゃんを預かりましょうか」と。その勇気と優しさに感動し、マービンは生まれたばかりの息子をルチアナに預けることにしたそうです。

4月7日、運命の電話からちょうど1週間後、ルチアナは小さなネイセルを病院から自宅に連れ帰りました。その2日後、マービンとジュニアが陽性だったという報告がありました。結果的に、ルチアナの決断が小さなネイセルを感染の危機から救うことになったのです。

父親と息子は自宅隔離となり、母親ズリーは依然として危険な状態でした。

ルチアナは夫アレックスと11歳の息子クリストファーと共に1ヶ月以上にわたりネイセルの世話をしました。幸い、マービンとジュニアとは毎日ビデオチャットで話ができました。

そして数週間後、ズリーの容態が好転しました。

3週間昏睡状態だったズリーが目が覚ましたのです。目を覚ましたばかりのズリーはネイセルを産んだことさえ覚えていないほど衰弱していました。しかし、4月25日には退院し、夫と息子の元へ帰ることができました。

その後、3人がコロナ感染から完全に回復した5月中旬、ネイセルはようやく家族の元に戻り、母親は生後1カ月半で初めてネイセルを抱きしめることができました。

家族再会を果たしたものの、ズリーとマービンはコロナ感染でケータリングの仕事を失っていました。ルチアナは赤ちゃんを1ヶ月以上預かっただけでなく、2人のためにオンラインで寄付の呼びかけも開始しました。その結果、2万ユーロ(約250万円)以上の寄付が集まったそうです。ズリーと家族はルチアナに感謝してもしきれないと言います。

一家を救ったルチアナの勇気ある決断、そして思いやりあふれる行動に敬服します。ルチアナの生徒たちもきっと自分たちの先生を誇らしく思っていることでしょうね。

コロナ禍では危機的状況に負けず、勇気ある行動をする人々が私たちに希望を届けてくれました。危機の中で広がった助け合いの輪のストーリー困難に立ち向かう人々の胸が熱くなる20枚の写真もあわせてご覧ください。

 

プレビュー画像: © Facebook/Luciana Machado Lira

出典

Washington Post,

Connecticut Post,

プレビュー画像: © Facebook/Luciana Machado Lira

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