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トリビア

18歳の少年が語る母に教えられた「若い黒人が守るべき16のルール」彼らが向き合う現実にもう言葉が出ない

「いってきます」いつものように学校へ、職場へ、あるいは日課のジョギングに出かけた家族がもう2度と帰ってこないかもしれない。そんな悲劇がいつなんどきでも起こり得る日常を、想像することはできますか?

米国テキサス州ヒューストン在住の18歳、キャメロン・ウェルチの日常生活は常にそうした不安と隣り合わせにあります。アメリカに生きる黒人男性として、安全に暮らすために守るべき暗黙のルール16をキャメロンは幼い頃より母親から言い聞かされてきました。

 
 
 
 
 
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5月25日にミネソタ州で警察官に首を押さえつけられて亡くなった黒人男性ジョージ・フロイド氏の事件を発端に、黒人差別に対する抗議デモが全米各地に広がっています。

「今この時に、声を上げなければいけない」その思いから、キャメロンが投稿した動画が世界中で大きな反響を呼んでいます。

instagram/camig.ftp

キャメロンが動画でシェアした、母から教わった「黒人が守るべき暗黙のルール16」を紹介します。

1. 手をポケットに入れてはいけない。

2. パーカーのフードをかぶってはいけない。

3. シャツを着ないで外出してはいけない。

4. 自分の居る場所を家族や大切な人に知らせること。たとえ通りを歩いているだけでも。

5. 遅い時間まで外出しない。

6. 買わないものは触らないこと。

7. 何かを買ったらレシートかレジ袋なしで店を出てはいけない、たとえガム1個でも。

8. 誰かと口論をしているように見せてはいけない。

9. 身分証明書なしに外出してはいけない。

10. タンクトップを着て車を運転してはいけない。

11. ドゥーラグ(主に黒人が頭に巻く薄い生地の白や黒のバンダナ)をつけて車を運転してはいけない。

12. タンクトップを着たり、ドゥーラグを巻いて公共の場へ出かけてはいけない。

13. 車に乗るときは音楽を大音量にしてはいけない。

14. 白人の女性をジロジロ見てはいけない

15. 警察に止められて職務質問されたら、反論してはいけない。協力的であること。

16. 警察に車を停止を命じられたらダッシュボードに両手を置いて、運転免許証と登録証を出してもいいか尋ねること。

動画はこちらからご覧いただけます(英語音声のみ): 

 
 
 
 
 
 
 
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一見、日本に暮らす私たちにとっては、なんてことのない行動を禁じる不思議なルールのようにも感じますが…この一つ一つを守ることがアメリカに暮らす黒人男性にとっては安全な日常生活を送るために、日々意識すべきことなのです。
 
スーパーでレシートを受け取らなかったばかりに、万引きと疑われる。深夜出歩いているだけで、不審な目で見られる。さらには、うっかりポケットに手を入れていたばかりに、銃を持っていたと誤解され撃たれる…など身の危険だけでなく命を失うリスクを避けるため、黒人男性が日々の生活で自分の身を守るために常に気をつけるべきことがこの16ルールには書かれているのです。
 
 
 
 
 
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アメリカの多くの黒人家庭では男の子が物心つくころから「黒人として注意すべき振る舞い」を教えるそうです。キャメロンも11歳になる頃にはこの16ルールを覚え、日頃から意識して行動しています。

根深い偏見により、ときには命の危険にさらされる可能性すらある日常。黒人の人々が日々向き合う現実に、ハッとさせられます。

 
 
 
 
 
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「個人の人柄ではなく、ただ単に肌の色だけで判断される僕たち黒人が日常的にどんな状況におかれているのか、多くの人に知って欲しかったんだ。この16ルールだけでなく、子供たちが毎日無事に家に帰ることができるよう、こうした話題は僕の両親にとって欠かせないものなんです」とキャメロンは語っています。

キャメロンの投稿したこの動画は、現時点で300万以上「いいね」されており、アメリカに暮らす黒人男性の置かれた現状に多くの人々が衝撃を受けています。

「差別や偏見にこれまでずっと耐えてきた僕たちの声に耳を傾けてほしい。よりよい社会をつくるために、僕たちが日々感じていることのほんの一部でも感じてもらう必要があります。僕たちの今置かれているこんな状況は、どの人種にもあってはならないんです」18歳のキャメロンの言葉は私たちの胸に響きます。

「ブラック・ライヴズ・マター」(黒人の命を守れ)と呼ばれる人種差別撤廃を訴える大規模な運動の中撮影された写真の数々、14枚の歴史に残ることになるであろう写真も是非ご覧ください。

プレビュー画像: ©️youtube.com/Good Morning America