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16年前、妻は猟師に傷を負わされた。以来、人々はこのコウノトリの夫婦に毎年心を奪われている。
毎年3月になると、クロアチア東部にあるブロドスキバロス村の人々は、息を凝らしてある家の上にある大きな巣を見上げます。
その巣に座っているのは、メスのコウノトリのメレーナです。メレーナは、毎年春に南から戻ってくる最愛の夫クレペタンを静かに待っています。
このコウノトリの夫婦が村に姿を現したのは16年前のことでした。
毎年8月になるとクレペタンは冬を越すため南へ渡りますが、メレーナは一緒に飛んでいくことができません。昔、イタリア人の猟師に羽を射抜かれて以来、メレーナは飛べなくなってしまったのです。
メレーナはもう、この村の外に出ることはありません。
しかし、クレペタンは何年たっても妻一筋。
秋の同じ日に巣から飛び立ち、3月には必ずメレーナのもとに戻ってくるクレペタンを地元の人々は毎年心待ちにしています。昨年はいつもよりも一週間ほど遅く到着したクレペタンでしたが、メレーナは夫を咎めたりはしません。それは夫が、南アフリカからアラビアの砂漠を経て、約1万2000キロもの距離を飛んでクロアチアの彼女の元まで戻ってくるからでしょう。
クレペタンとメレーナが巣を作った屋根の家の持ち主、ヴォキッチさんも少し遅れて到着したクレペタンの姿に安心しました。
ヴォキッチさんは、巣を目がけてまっすぐ飛んでくるオスのコウノトリを見たとき、それがクレペタンだとハッキリとわかったそうです。ヴォキッチさんは毎年、コウノトリの夫婦の再会の日に合わせてバケツ一杯の魚を用意しています。
Facebook/Katerina Struminskyj Zvonarić
2羽の物語は世界中の人々を魅了し続けています。
こちらは、クラペタンとメレーナの物語り描いたアニメーションです。
番(つがい)を変えないコウノトリは非常に珍しく、15年も続く2羽の関係は通常では考えられないことだそうです。
2羽はこれまでに40 羽ものひなを育て上げました。飛べないメレーナに代わって誕生したヒナに飛び方を教えるのは、クレペタンの役目です。
Facebook/Katerina Struminskyj Zvonarić
クレペタンが空を飛ぶ様子。
実の愛に距離は障害ではないということを証明してくれるようですね。
