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脳が通常の2%しかなかった男の子の奇跡の成長!

妊娠中にお腹の赤ちゃんについて悪い知らせを受けることほど、両親にとって恐ろしいことはないでしょう。 赤ちゃんの誕生を待ち焦がれる希望と幸福感に満たされた状態から一転、恐怖と不安の只中に突き落とされたような心境に陥ります。

妊娠超音波検査の最中に、そうした辛い体験をシェリー・ウォールと夫のロブは味わうことになります。二人がノアと名付けたシェリーのお腹の赤ちゃんに恐ろしい宣告が下されたのでした。

超音波検査でノアの頭が異常に大きく、先天性水頭症を患っていることが判明したのです。頭蓋腔内に過剰な髄液が溜まっており、圧迫により頭蓋骨が膨張する疾患です。さらに、ノアは重度の二分脊椎症も併発しており、医師は最悪の事態に備え心の準備をしておくように夫妻に伝えました。また、死産を免れたとしても無脳症で生まれる可能性があり、症状を改善する方法はないため、医師は中絶することを勧めました。

しかし、精神的に打ちのめされながらも、二人はノアを生むことを決意します。出産を待ちながら、もし時間が残されているのならばどのくらい赤ちゃんと一緒に居られるだろうかと思いをめぐらせた二人は、小さな棺桶を用意し、家族として小さな我が子の葬儀を行おうと計画したのです。

そしてノアは誕生しました。通常のわずか2%の脳しかありませんでしたが、それでも懸命に生きていました。

生まれてすぐにノアは背骨を矯正し、頭蓋内の髄液を排出する手術を受けます。手術は成功しましたが、それでも医師たちはノアは長くは生きられないだろうと考えていました。しかし、ウォール夫妻は希望を捨てず、懸命にノアを世話します。その後、幼少期のノアは数え切れないほどの入院、そして手術を経験します。また、認知訓練と運動療法を組み合わせた神経理学的療法も受けました。

その結果は驚くべきものでした。出生時には2%しか形成されていなかったノアの脳は、3歳になるまでに80%にまで成長したのです。ノアは通常の子どもと同じように話すこと、読むこと、書くこと、算数、音楽を学び、活発で明るい子どもに成長しました。現在、ノアは9歳。学校に通うこともできており、賢く、好奇心旺盛。今は太陽系に興味をもっています。

ノアの脳と体が成し遂げたことは、医療界にとってもまさに奇跡です。わずか2%の脳が、これほど素晴らしい機能を発揮できるまでに成長するとは誰も考えていなかったのです。赤ちゃんの脳の発達の可能性はまだまだ未知の領域。科学的には謎は解き明かされていませんが、ノアの症例は、先天的な病気を抱える赤ちゃんとその両親の希望となるでしょう。

ノアは脊椎が損傷しているため車椅子を使用していますが、彼の夢はいつかサッカーをプレイすること。9歳の誕生日に両親と旅行に行ったノアはこう語っています。

「サッカースタジアムに行って芝生の上に立ったんだ。すごかったよ。僕はいつかゴールに向かって走るんだ」

これまでの驚異的な成長を見れば、ノアはきっとこの夢も実現するに違いありません。

 

プレビュー画像: ©Facebook/Amany Abd El Wahab ©Twitter/Tim Brown

脳が通常の2%しかなかった男の子の奇跡の成長!