ちえとくをフォローする

えらい

監督から性的な罵声を浴びた女優 しかしキアヌがすくっと立ち上がってしたことに言葉を失った

キアヌ・リーブスと言えば、「スピード」「マトリックス」シリーズで知られている俳優です。

p1

「マトリックス」で大きくキャリアを飛躍させてから20年以上経つにもかかわらず、その特有の存在感は常にファンを魅了し続けています。近年は「ジョン・ウィック」シリーズで引退した殺し屋を演じ、新たなファン層を獲得したように、幅広い年齢層から愛される稀有な俳優と言えるでしょう。

そんなキアヌ、以前こちらの記事でも紹介したように、いわゆる「ハリウッドスター」らしからぬ謙虚で質素な姿勢で有名です。

豪邸に住まない、ボディガードを雇わない、地下鉄を利用する、さらには高額のギャラを恵まれない人々に寄付しているとまで言われており、そんな飾り立てない、他者を思いやる姿勢を貫くのは、キアヌが仏教徒だからなのではとも囁かれています。(中国のクォーターであるキアヌは、東洋文化に強い関心を示しているようです。)

そんな仏のような心を持ったキアヌですが、ある女優が暴露したエピソードがまた大きな話題を呼んでしまいました。

p1

その女優はウィノナ・ライダー。キアヌと同じように、90年台のハリウッドを席巻した女優として記憶している人も多いのではないでしょうか?

ウィノナは、1992年の映画「ドラキュラ」でキアヌと共演したときに起きた出来事を語っています。

p1

それはウィノナが演じるヒロインが恐怖で涙するシーンでの出来事でした。ウィノナにもっと激しく泣くよう求めたフランシス・フォード・コッポラ監督は、ウィノナを汚い言葉で罵り始めたのです。ウィノナによると、コッポラ監督は彼女を「アバズレ!」と罵倒し、さらに共演者たちにも同じようにするように指示したと言います。

そんな時、断固としてその指示に従わない共演者がいました。キアヌです。キアヌはいくら演出のためとは言え、そんなひどいことには加担できないと思ったのでしょう。断固として口を閉ざしていたと言います。同じように、共演者のアンソニー・ホプキンスも従わなかったそうです。

1992年当時、コッポラ監督はすでに「ゴッドファーザー」シリーズを大成功させており、ハリウッドでもっとも力のある巨匠だったことは言うまでもありません。その時点ですでに重鎮だったアンソニー・ホプキンスとは違い、キアヌはまだまだ若手の中堅俳優。コッポラ監督のような巨匠に抵抗するパワーなどあるはずもないのですが…自分の信念を貫いたのでしょう。

p1

このインタビューが公に出ると、世間からはキアヌの紳士ぶりを称えるコメントが寄せられるとともに、コッポラ監督の演出法に対し疑問を抱く声も多く聞かれました。

コッポラ監督はウィノナの主張を否定しており、セットで役を演じたゲイリー・オールドマンなどにアドリブとして「脚本にない邪悪なセリフ」をウィノナに囁くことを要求したことは認めても、ウィノナが言っているような罵声は浴びせていないし、それは映画制作者としてはありえないとも語っています。

p1

いかがでしたか?ウィノナの語ったエピソードに誇張がある可能性は否めませんが、いずれにせよ、従来の映画製作の現場が明らかに男性優位で、邪悪な意図がなくとも女性が気まずく感じてしまうような雰囲気があったことは否めない事実でしょう。少なくとも、ウィノナがセットで心細い思いをしているとき、キアヌが大きな心の支えになってくれたということは真実なのではないでしょうか。

現在ではMeToo運動の加速などにより、そんな保守的な映画製作の現場も徐々に変わろうとしています。「マトリックス4」の撮影がベルリンでスタートし、ふたたび救世主としてスクリーンに蘇るキアヌですが、セットでも人々の心を救っていたなんて驚きですね。

プレビュー画像: © Pinterest/ leahchampagne.tumblr.com