アンビリーバボー
ピザ配達の男性が燃え盛る家から5人の子供を救う
あなたは、燃えている家に駆け込んで、中にいる人を救おうと思いますか?そう考えただけで、パニックになってしまう人もいるのではないでしょうか。
日々訓練を受けた消防士なら、可能かもしれません。危険性をよく理解しているからです。いかなる緊急事態でも対応できるよう訓練を受け、それに防護服を着用しています。
でも、普通のピザの配達員にそんな英雄的な行為を期待する人はいないでしょう。しかし、それこそが25歳のニコラス・ボスティックのしたことなのです。
ある夜、アメリカ・ルイジアナ州ラファイエット市でいつものようにピザを配達していたニコラスは、炎に包まれた家の前を通りかかります。
しかし、こんな時に限って携帯電話を持っていませんでした。消防署に電話することができなかったのです。
もしかして人が閉じ込められているのでは…嫌な予感を感じたニコラスが家の裏口に駆け寄ると、鍵がかかっていません。家の中に入って大声で誰かいるかと叫び始めました。
実は、この家は無人ではなかったのです。4人兄弟の長男と友人の13歳の少年が、ニコラスの声で目を覚ましました。一階はすでに燃えているのに、みんなまだ何も知らずに寝ていたのです。
長男はすぐに他の子供たちを起こし、1歳の妹を抱き上げて階下に駆け下りていきました。ニコラスは子どもたちを炎からかばい、無事に外に連れ出しました。
燃え盛る家から脱出し安心したのも束の間、子どもたちは異変に気づきました。6歳の女の子が、まだ中にいたのです。ニコラスに迷いはありませんでした。再び、燃え盛る家の中に駆けて行ったのです。
「不思議と落ち着いていました。あの場で死ぬことを受け入れているような感じでした。冷静に、ただひたすら集中し、速く動けたのです」
ニコラスはすべての部屋を歩き回り、ベッドの下、クローゼットの中も探しました。煙で視界が悪くなり、呼吸もままならなくなっていました。
すると、部屋の隅にパニックでしゃがみこんでいた女の子を見つけたのです。
しかし、火はすでに燃え広がり、ニコラスが1階へ戻る道はありません。ニコラスは近くの窓を割って、子どもを抱いて飛び降りたのです。
火事に気づいた近隣住民が消防署に通報しており、救急隊と警察が道路を封鎖して、消火活動が行われました。
警察官のカメラには、ニコラスが子供を連れて救急隊までたどり着き、その後、怪我をして疲れ果てて倒れている姿が映っていました。その夜のドラマチックな出来事は、こちらでご覧いただけます。
「あの子は大丈夫ですか?大丈夫だと言ってくれ!」腕を負傷していたニコラスが、救急隊員による治療を受けながら、叫んでいるのが聞こえます。
奇跡的に、6歳の女の子も大胆なジャンプで無傷でした。「よく頑張ったね」と警察官の一人がニコラスを励ましています。
子どもたちの両親は夕方から出かけていて、18歳の長男に下の子の世話を任せていました。火元は、家の前のゴミ箱。まだ火の残るたばこの灰を入れたのが原因だったようです。
何の見返りも求めず、果敢に燃え盛る家で救助をやってのけたニコラスは、地元のヒーローです。救出された子どもたちの両親は、ニコラスは家族の一員としての付き合いが始まったそうです。
何の心の準備もなく、たまたまその場に居合わせたニコラス。なんという無私で勇敢な行動なのでしょうね。
出典 boredpanda
プレビュー画像: © Instagram/lafayetteinpd
