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スーパーで泣き叫ぶ2歳の女の子の脇でただ立ちつくす2人の男性。大切な何かを記録するため、その光景を女の子の母親が写真に収める。

「ジェーン・ザ・バージン」などのテレビドラマに出演していた経験を持つアメリカの人気俳優、ジャスティン・バルドニは、ある日家族でスーパーで買い物に出掛けていました。そこで、ふとしたことがきっかけで2歳になる娘が床に座り込んで駄々をこね始めてしまいます。しかしそれを見ていたジャスティンの妻は何と携帯電話を取り出し、その様子を撮影し始めたのです。

ジャスティンは妻のその行動について、後にFacebookでこう説明しています:

「この写真はこの前スーパーマーケットで妻のエミリーが撮った。今じゃ僕と僕の父のお気に入りの1枚になったよ。2人の男が静かにたたずみ、その間には2人の絆が見える。一方2人の足元には、純粋さの結晶のような存在がいる。僕ら2人は、この子のためなら地球の果てにだって喜んで出かけていく。なんだかこれを見てると、ああ自分も今の娘の年の頃には同じようなことをやっていたな…なんてノスタルジックな気持ちすら湧き上がってくるよ」

「実際僕は、父からは本当に色々なことを教わってきた。特に『男とはどうあるべきか』というようなことをね。でも、この写真から僕が感じることができるのはたった一つ。『不快に思うようなことでも少しずつ楽しくなっていく』っていうこと。それは、ずっと父が感じていたのをそばで僕も成長しながら見続けてきたことでもある。この世に完璧な親なんていやしないんだろうけど、親になるということは、決して周りからそう思われるからなれるというわけじゃない。それも父から教わった」

「父は、僕が感情のままに行動したい時は黙ってそうさせてくれてきた。それが公共の場であろうが、どれだけ恥ずかしい思いをすることになろうとも。実際、『俺に恥ずかしい思いをさせるな!』とか、『泣くんじゃない!』なんて言われたことはなかった。そんな父の教育方針が、僕の感情の形成に決定的な影響を与えたってことに気づいたのは、ほんの最近のことだけどね。結局のところ、子供たちは本当にたくさんの情報を処理し、そこから学んでいるんだ。どうしていいのかわからないような場面で、今まで経験したこともなかったような感情に出会うことだってあるわけだ」

「僕がいつも心がけているのは、感情を正直に表現することは悪くない、ということを娘にわかってもらうようにすることだ。スーパーマーケットで駄々をこねようが、飛行機の中で叫び続けようが、それで僕が恥ずかしい思いをするなんてことはない。文句を言ってくるようなやつがいたら、こう言ってやるさ。『おい、この子の父親は俺だ。おまえじゃないぞ』ってね」

「子供の行動で親が恥ずかしい思いをする、なんて考えるのはもうやめにしよう。僕ら自身に対して、もう少し寛容にあるべきだよ。もし僕ら大人たちも、子供のように駄々をこねたり叫んでみたり、必要な時に必要なだけ感情をもっとさらけ出すようにすれば、今以上に幸せや喜びを感じることができるようになるんじゃないかな。もっとこの世界がそういった感情の表現に対して肯定的になっていくことができれば、みんなもっと幸せになることができると思うよ」

国や文化にもよりけりですが、ジャスティンの言葉通り、考え方が少しずつ変わっていくことができればいいかもしれませんね。

しかし、人との和を重んじる文化傾向の強い日本ではいかがしょうか?混み合った電車内や外出先で幼い子供が疲れてぐずってしまう場合、周囲への配慮から子供を諭し、落ち着かせようすることは親としての務めのようなものかもしれません。また、ぐずる子供の大声に肩身の狭い思いをしながら、必死に感情的に怒ることなくなだめようとする親のストレスも相当なものでしょう。幼い子供が騒いでしまう状況で親は周囲に配慮し、周囲もそんな子供と親の心情を思いやる、日本人が昔から重んじてきたお互いに尊重する習慣は未来の子供たちを育てる上でも大切なことなのかもしれません。