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自閉症の息子の誕生日…父の願いに胸が熱くなる

大人はもちろん、子供にとって誕生日はとりわけ特別な日。本来ならば家族や友人に祝福されて過ごす1日です。仲良しの友達を誕生日パーティに招待して、ハッピーバースデーソングを歌いながらケーキのロウソクを吹き消し、最高に楽しい1日を過ごす…多くの子供にとって誕生日は自分が主役の一大イベントでもあるのです。

birthday party

でも、全ての子供達が誕生日に友達に囲まれて過ごすとは限りません。もし、誕生日を迎える子供の視点から見える世界や他人の受け止め方が、他の子供たちとは違っていたとしたら、つまり自閉症スペクトラムの中にいたとしたら…状況はかなり変わってくるかもしれません。

自閉症とは、持って生まれた特有の個性です。他人との関わり方やコミュニケーションの取り方に独特のスタイルがあるため、社会的コミュニケーションが困難となることがあります。

自閉症の子どもは、感情や要求の表現が独特なため、家族や他の子供たちと関係において理解することが難しく、人間関係の構築において本人も苦労してしまうことが多々あります。

自閉症の特性を理解し、自閉症一人ひとりの特性に合わせた教育的方法を用いた支援(療育)を受けることで、生活の支障を少なくすることができます。自閉症の子を持つ親は我が子の特性を理解し、サポートすることができますが、学校や保育園・幼稚園で出会う幼い子供たちが自閉症の子どもの特性を理解することは難しく、仲間との友情を育むことが困難になりがちです。

もちろん、自閉症の子供たちも他の子供たち同様、感情豊かで友情や愛情を切望しています。

「誕生日に何がほしい?」誕生日に希望するプレゼントをリストに書くよう、父親に言われた自閉症の少年ダニエル・ハリソンはこんな願いを書き込みました。

息子のウィッシュリストを読んだ父ケビンは胸が痛みました。ダニエルが書いた二つの願い、それは「車が運転できるようになりたい」と「友達が欲しい」だったからです。

息子に友達が一人もおらず、いつも一人で遊んでいて他の子に近づいて一緒に遊ぼうとはしないことをケビンは知っていました。でも、そんな息子が「友達がほしい」と声に出して表現することができるようになった。この想いを伝えることができるようになるまで、息子はどれだけ寂しい思いをしていたのだろう?ケビンは息子の胸中を思うと居ても立ってもいられませんでした。

自閉症児の父親としての育児経験を、長年にわたりSNSに投稿していたケビン。これまでに築いたネット上のコミュニティを利用して息子の願いを世間に訴えることにしました。

「僕の自慢の息子ダニエルは自閉症です。彼には友達が一人もいません。今日は彼の誕生日。彼の『誕生日の願い』は二つ、車が運転できるようになることと、友達を作ることです。どうか、彼の誕生日を祝福してほしい。彼が誰かから気に掛けられているということを示してほしいのです」とTwitterに書き込み、せめて誕生日を祝ってほしいと読者に呼びかけました。

その結果…多くの反響が寄せられました。ケビンの投稿は瞬く間に拡散され、ダニエルの誕生日を祝うメッセージが数多く届いたのです。身近な大切な人が自閉症であることを伝える共感のメッセージや、美しい写真や心温まる言葉が何千も寄せられました。

ハリウッドセレブのラッセル・クロウやシャロン・ストーンからも温かなお祝いメッセージが送られました。思いやりの精神に溢れた数々の優しいお祝いメッセージにダニエルとケビンは感激し、心から感謝しました。

「人は誰しも愛されたい、好かれたいと願っている。これはいつの世も変わらない普遍的な欲求だ」とケビンは語っています。

ときには、見ず知らずの他人のちょっとした優しい一言で、心が満たされることもあります。たくさんの愛情あふれるメッセージを受けとったダニエル。きっと忘れ難い誕生日となったことでしょう。

出典: cbsnews

プレビュー画像©︎Twitter/Kev & Daniel’s #autism journey (& Bruce ?)