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【子どもを失った母の悲痛な訴え】アウトドアでの一酸化炭素中毒に注意して!

最近では、withコロナの時代に人混みを避けられるレジャーとして、キャンプをはじめ、アウトドアでのアクティビティが注目されています。そんななか、米国オクラホマ州では、3人の子どもを持つ母親カサンドラ・フリーがアウトドアで起きた思いがけない悲劇の真相を多くの人に知ってほしいと自身のフェイスブックアカウントで投稿を続けています。

カサンドラと彼女の夫ジョン、そしてジョナサン、ブレイク、アンディの3人の子どもたちは、2020年の夏、ユーファウラ湖に車を走らせ、ボートで一日を過ごしました。

カサンドラはその日を振り返ります。「最初、子どもたちはボートの後部座席に乗っていましたが、午後にはボートの後ろでウェイクサーフィンをしたり、チューブにつかまって泳いだりしていました」湖にはサーフィン禁止の場所があるので、そこからは子どもたちはウェイクボードから降りて、ボート後部で過ごしました。

子どもたちはボートの後部で横になっていましたが、疲れたせいだろうと両親は考えていました。ジョンがボートをドックにつけ、子どもたちに手伝ってほしいと頼むと、船が揺れた拍子に9歳のアンディはボートから落ち、身動きもせずに水に浮かびました。

カサンドラは、最初、手伝いがしたくないアンディがいたずらをしていると思ったと回想します。でも、すぐに何かがおかしいと感じ、ジョンが水に飛び込み、アンディを抱えあげました。でもそのときにはアンディは昏睡状態で、すでに何もかもが手遅れだったのです。

病院に移送され、死亡が確認されたとき、アンディの死因は溺死だと言われました。でも、カサンドラはその診断をおかしいと感じたと言います。「アンディは2歳からずっと泳いでいて、泳ぎはとてもうまかったんです」

病院に到着したとき、他の2人の兄弟も激しい頭痛、吐き気、めまいを訴えていました。弟を失った悲しみ、太陽の下での一日の疲れと考えれば、不思議なことではありません。でも、その背後にあったのは全く別の要因でした。

アンディを診察した検視官はブレイクとジョナサンにも検査が必要だと言いました。検査により、2人の子どもが一酸化炭素中毒に陥っているという驚くべき結果が明らかになったのです。

アンディの剖検でも、血液中のCOHb (一酸化炭素の安定化合物で、吸入されると赤血球内で生成される) が非常に高い値(72%)を示しました。

アンディは溺れたのではなく、屋外で1日を過ごした後に一酸化炭素中毒で死亡したのです。

こうした一酸化炭素中毒は、例えばボートや発動機のエンジン、炭のストーブなどの排気に長時間さらされた場合に起こります。キャンプなどでも、テントでストーブを使用して一酸化炭素中毒で亡くなる事例が発生しています。

このアウトドアでの一酸化炭素中毒が厄介なのは、頭痛やめまいなど日射病や熱中症の症状と間違えられやすいことです。そのために適切な対処が遅れて、命に関わる事態になるといいます。

カサンドラは、何十年もボートに乗ってきたにもかかわらず、自分自身も周囲の人たちもボートに一酸化炭素中毒のリスクがあることなど思いもよらなかったと言います。こうしたリスクへの認識が高まれば、将来、このような悲劇が避けられるかもしれない、とカサンドラは考えています。

カサンドラは子どもを失うという堪え難い悲しみのなかで、Facebookでこうした事件の防止を訴え、注意を喚起する投稿を続けており、13,000回以上シェアされています。

アンディのご冥福と、カサンドラと家族の悲しみが少しでも和らぐことを心からお祈りします。

プレビュー画像: ©Facebook/Cassandra Free ©Facebook/Cassandra Free