ちえとくをフォローする

レスキュー

【ネグレクトからの救出】飼育放棄され皮膚が石のように硬くなった犬

米国ヒューストンの動物保護団体This is Hustonに、ある日、捨てられて瀕死の犬がいるという報告がありました。駆けつけたスタッフが見たのは、劣悪な環境に長期間放置されていたと思われる犬。そのあまりの悲惨さに経験豊かなスタッフでさえ愕然としたと言います。

その犬の皮膚は石化して見えるほどに硬くなっていました。本来なら柔らかい被毛に覆われているはずの体には、乾燥したうろこ状の皮膚しか見えず、所々に血の斑点が滲んでいます。石化した皮膚にダニが繁殖しており、痒い皮膚をひっきりなしに掻いて自分で負わせた傷でした。

救助に当たったスタッフは、この雌犬に「マデリン」と名前をつけました。すぐに、マデリンは獣医のもとに運ばれ、年齢5歳と推定されます。毛は抜け落ち、足はむくみ、爪も伸びすぎたまま放置されていました。精密検査の結果、フィラリアが心臓に寄生しており、血液循環障害を起こしていることがわかりました。獣医はすぐにフィラリアとダニに対する薬物療法を開始し、マデリンの耐え難いかゆみを和らげます。

救助されて数日の間、マデリンはほとんどの時間を寝て過ごしました。何年も耐え難い痒みや体の痛みでゆっくり眠れなかったマデリンにとって、久しぶりの安らかな眠りだったのでしょう。

マデリンを救助した動物保護団体ThisisHuston のスタッフはフェイスブックにマデリンの状況について悲しみと怒りを滲ませながら、こう報告しました。

「マデリンの精神は崩壊しています。でもその下に魂は残っています。毛は抜け落ち、全身が痛みます。自分の何が悪かったのだろうと思い、彼女の心は引き裂かれています。これが長い間ネグレクトされた動物に起こる悲劇なのです。

マデリンは生まれてから5歳になるまで痛みと惨めさしか知りません。彼女は人間の過ちの犠牲者です。この5年間、何人の人が彼女の惨状を見て見ぬ振りをしてきたのか。彼女のこれまでを思うとやるせなさに胸が締め付けられます」

マデリンは家族が見つかるまでは、里親に愛情を込めて育てられます。今では下の写真のように被毛も順調に生えてきています。愛情のこもった世話のおかげで、発見当時の灰色の毛のない犬の姿はそこにはありません。でも、マデリンが病気を治し、精神的な傷を癒すのにはもう少し時間がかかるでしょう。

マデリンを救助した動物保護団体ThisisHustonのスタッフはこう書いています。「かわいいマデリン、もう大丈夫だよ。たくさん世話してもらって、遊んでもらって、かわいがってもらうんだ。いっぱい甘えていいんだよ。君はただ病気と戦えばいいんだ。それ以外のことは私たちに任せて」

残酷な人間の仕打ちに心も体もボロボロになっていたマデリン。これからは愛情と優しさのシャワーを浴びて、幸せに暮らせますように。

保護されて幸せになった猫の心温まるストーリーもご覧ください。

プレビュー画像: ©Facebook/ThisIsHouston, ©Facebook/ThisIsHouston