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「犬を置き去りにはできない」と 65歳女性はゴミ袋の中で6匹の犬と暮らす

犬は人にとって最も忠実な友人と言われます。そんな忠実な友の存在は、人間にとってもかけがえのない大切な存在。

どんなに過酷な状況であっても、たとえ自分の身に危険があっても、置き去りにはできない家族、と考える人もいるのです。

メキシコのティファナ市の路上で、犬たちと一緒にゴミ袋のなかで寒さと雨を凌いでいる女性の姿が撮影され、多くの人に衝撃を与えました。

この女性は通称チョレと呼ばれる65歳の女性。心配した通行人が警察に通報したのです。警察が駆けつけ、チョレにシェルターに行くことを勧めました。シェルターに行けば食事がもらえ、安全な場所で寝泊まりできます。でも、チョレはお礼を言って、シェルターに行くことを断りました。6匹の犬たちを置いて去ることはできないと言うのです。

チョレは犬たちと一緒に路上で長年暮らしており、寒さを凌ぐために大きなゴミ袋に犬たちと一緒に入っていたのです。犬の1匹は妊娠しており、子犬の出産も間近でした。チョレは仲間を見捨てることを拒んだのです。

警官たちは30分ほどチョレを説得しましたが、彼女の心を動かすことはできません。犬たちを置き去りにすると考えただけでチョレの目からは涙が溢れ、「助けてくれなくてもいい、ここにいれば大丈夫」と繰り返します。それでも警察は寒さの厳しい路上に彼女を置いていくことはできず、ようやく彼女と犬たちをチョレの息子の家に送り届けました。

しかし、翌日にはもう彼女は路上に再び出ていました。母と息子の仲が悪いのか、それとも息子には母親と犬を引き取る余裕がないのかはわかりません。

まもなく、ゴミ袋の中で暮らすチョレの写真が地元のニュースで取り上げられると、彼女と犬たちを心配する声が上がり、彼女の人生は好転しはじめます。最初に、アレハンドラという親切な女性が行動を起こしました。彼女はチョレに飲み水、食べ物、暖かい毛布などを提供しました。また、チョレと犬たちを助けようと、インターネットで呼びかけを始めます。

この投稿を見た人たちが、犬とチョレのために寄付をしてくれました。そのおかげで、チョレは犬の同伴が許可されている宿泊所で生活できるようになったのです。粗末な住まいですが、わずかな金額で安全に寝泊まりができます。

「チョレが何度もお礼を言ってくるので、私の方が泣いてしまいました」とアレハンドラ。

メキシコでは捨て犬が社会問題になっています。多くの人が軽い気持ちで犬を飼い、すぐに捨ててしまうのです。そんななか、チョレの犬たちへの深い愛情に多くの人が共感し、彼女の過酷な生活環境に心を痛めています。彼女と犬たちが快適に永住できる場所が見つかることを願います。

プレビュー画像: ©Facebook/KAYSERİLİ HAYVAN DOSTLARI ©Facebook/Daniel K. C. Johnson