ジーンとくる話
水道管破裂がきっかけで発見、ヘアゴムで縛られた子犬2匹
アメリカ、カンザス州の都市ウィチタで水道管破裂の修理に訪れた配管工作業員。しかし修理先のアパートでこの配管工は予期せぬ光景を目にします。
水道管破裂の損傷箇所を探していた配管工は、暗い室内片隅の床に置かれたプラスチック製ボックスに気がつきました。ふとボックスの中に目をやると、そこには2匹の子犬がいたのです。
やせ細った2匹の子犬はボックスの中に座ったまま、鳴き声ひとつ上げませんでした。ボックス内をライトで照らした配管工は、子犬たちの沈黙の理由を知って衝撃を受けました。子犬は口を縛られていたのです。配管工はただちに動物愛護団体に通報しました。
動物愛護団体Wichita Animal Action League(ウィチタ・アニマル・アクション・リーグ)の責任者サラ・コフマンは発見現場のアパート一室に入るや否や、衝撃のあまり言葉を失いました。
「これまで見たこともないあまりにも酷い光景に気を失いそうになりました」とサラ。
さらに追い討ちをかけるように、子犬を黙らせるために口を縛っている物が何であるのを知って、衝撃を受けます。
「あまりにもきつく口に食い込んでおり簡単には外せないため、当初はワイヤーで縛られていると思っていました。でも、動物病院でよく確認すると、それは小さなヘアゴムでした。輪の直径が私の親指の太さぐらいしかない、シリコン製のヘアゴムです」
獣医の推測によれば、おそらく12時間から24時間ほど子犬は口を縛られたままだったようです。ペンチで口の輪が取り除かれ、鼻先に十分な血行が戻り、子犬たちはようやく痛みを訴える鳴き声を上げました。小さな子犬の痛々しい姿に、居合わせた愛護団体職員の中には目に涙を浮かべる者もいました。
まさに間一髪、ギリギリの救出劇でした。発見があと少し遅れていたら、口に食い込んだゴムによって深刻な後遺症が残り、最悪の場合死に至る可能性もありました。しかし発見から通報、動物病院への搬送と早急な対応のおかげで、子犬は健康上問題も残ることなく無事に回復することができました。
ウェストレーとデビーと名付けれらた2匹の子犬はその後間もなく、フロリダ在住の新たな飼い主に引き取られました。現在、2匹は仲良く一緒に新生活を満喫しています。残酷な仕打ちを受けたにも関わらず、元気いっぱいに回復した子犬たちの姿にサラもホッとしているとか。
子犬たちの救出とその後の様子はこちらから視聴できます:
水道管の破裂がきっかけ無事に救出された2匹の子犬。もし、発見されずにそのまま…と想像するだけでも心が痛みます。
「全ての飼い主へ: もし子犬が生まれて引取先が見つからなかったり、責任をもってペットを飼育することができないからといって、絶対にこんな酷い措置をとらないで。どうか、必ず支援団体に連絡してください」
命ある生き物に対して、こうした卑劣な対応が今後も繰り返されることのないよう、祈るばかりです。