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母になることを待ちわびた一人の女性は出産直前にその願いを絶たれた 奇跡的に助かった赤ちゃんの写真に思わず涙

2020年8月11日、アメリカのカリフォルニア州で、妊娠35週だったイエセニア・アーギュラーは、夫のジェームズと散歩中に車に撥ねられました。40歳の運転手コートニー・パンドルフィは、飲酒と薬物の影響下で運転しており、大型オフロード車のコントロールを失い、暴走したまま歩道の縁石に乗り上げ、事故を起こしました。

この事故でイエセニアは搬送先の病院で亡くなりました。しかし医師たちは彼女が息を引き取る直前に緊急帝王切開を行い、赤ちゃんを奇跡的に救出。誕生した女の子はアダリン・ローズと名付けられました。

23歳のイエセニア・アーギュラーと夫のジェームズは、2年前に結婚、念願の赤ちゃんを授かったところでした。2020年8月11日の夕方、小さなアダリンが産まれる予定日の6週間前、イエセニアとジェームズはいつものように散歩することにしました。2人が手を繋いで歩いていたところに、コートニーが運転するジープがコントロールを失い、歩道に突っ込み、妊娠中のイエセニアを撥ねたのです。わずか数センチしか離れていなかった夫のジェームズは奇跡的に無傷のままでした。

事故からまもなく救急隊員が現場に到着し、重傷を負ったイエセニアを病院に搬送、医師たちは緊急の帝王切開手術を行い、小さなアダリン・ローズを何とか救うことができました。このとき、ジェームズにはすべてがうまくいくように思えたと言います。しかし医師たちは、妻イエセニアのためにこれ以上為す術がありませんでした。事故で彼女が負った怪我はあまりにも深刻で、そのまま彼女は息を引き取ったのです。娘のアダリンも当初は非常に危険な状態だったと言います。

一方事故を起こしたコートニー・パンドルフィは軽傷でイエセニアと同じ病院に入院していましたが、数時間後に退院し、警察に逮捕されました。その後、判明したことですが、彼女は有効な運転免許すら持っておらず、2008年、2015年、2016年に飲酒とドラッグの影響で運転中に逮捕されていました。現在はイエセニア・アーギュラー殺害の罪で起訴されています。

3週間の長い入院の後、ジェームズはついに娘のアダリン・ローズを家に連れて帰ることを許可されました。インタビューのなかで、彼は妻のイエセニアを突然失ったショックが今なお続いていると述べながらも、父親としての覚悟をこう語っています。

「私たちは2年かけてようやく赤ちゃんを授かり、ついに美しいお姫様に恵まれました。お姫様の誕生まであと1カ月というときに、あんな事故が起きるなんて…。寂しくて辛くて、どうしていいのかわかりませんでした。でも私は娘のために強くならないといけないことは分かっています。妻はもう私に手を貸してはくれませんが、妻がいつも私たちと一緒にいることもわかっています。そのことが私に力を与えてくれます」

「妻からの最期の贈り物」である小さな奇跡を永遠に捉えるために、ジェームズは写真家グリセル・レイヴァにアダリンの写真撮影を依頼しました。母親と一緒の写真に写ることはできないので、ジェームズはイエセニアの写真を数枚持っていきました。グリセルがそのうちの1枚を赤ちゃんの手に持たせて写真を撮ると、まるで赤ちゃんのアダリンはママの写真を放したくないと言うようにギュッと握りしめたのです。

最後に、グリセルは若い父親にサプライズの贈り物をしました。ジェームズが写真撮影に持ち込んだイエセニアの写真を使って、幸せな家族3人の合成写真を作ったのです。娘のアダリンと妻のイエセニアとの美しい写真は、ジェームズへの贈り物であるだけではありません。母親がいなくても成長しなければならない少女にとっても、いつの日か大切な宝物になるでしょう。

ジェームズは飲酒と薬物による影響下の事故(DUI)撲滅のため、この写真を公開しました。多くの人が彼のメッセージに共感し、若すぎるイエセニアの死を悼んでいます。

コートニー・パンドルフィが酔っ払って車に乗り込んだことが、母親になることを待ちわびていた若い女性の命を奪うという悲しすぎる結末を招きました。アルコールやドラッグの影響により正常な運転ができない状態で引き起こされる悲劇、もう2度と繰り返してほしくありません。

愛らしいアダリンが健やかに成長し、ジェームズの心の傷が癒えることを願わずにはいられません。

プレビュー画像: ©Facebook/James Alvarez, ©Facebook/X&V Photography