トリビア
1940年代の服を着て 自撮りをする13歳の少女。その理由を知ったとき 全身に鳥肌が立った。
今や全世界のユーザー数が10億人を突破した大人気SNS、Instagram。「インスタ映え」が2017年の流行語大賞に選ばれたことからも分かるように、日本でも若者を中心にその人気は全く衰えを知りません。
最近このInstagramに登場した1人の少女が、海外のネットを中心に話題を呼んでいます。彼女の名は、エバ・ハイマン。なんと今から75年前、ナチス・ドイツのアウシュビッツ絶滅収容所で命を奪われた実在した少女の名です。
「エバ・ストーリーズ(@eva.stories)」という名のついたこのアカウントに投稿されているのは、エバが日記に綴った人生最期の日々を再現した動画の数々です。
Instagramの機能のひとつ「ストーリー」を通して、セルフィー(自撮り)を撮る少女の視点から語られるホロコーストの記憶はとてもリアルで、戦争経験の無い若者が見ても共感できる内容となっています。
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アカウントのPR動画は「もしホロコーストの時代を生きた少女がインスタグラムを使っていたら…?」という問いからはじまります。
エバ・ハイマンはどこにでもいる、明るく可愛い13歳の女の子でした。
将来を約束したかっこいい彼氏もいて…
友達と公園に出かけたり、ダンスを踊るのが大好きでした。
薬剤師のおじいさん、おばあさんと幸せに暮らしていたエバ。
しかし、そんな彼女の生活にも徐々にナチスの暗い影が迫ります。
ユダヤ人だからという理由で、おじいさんは薬局の経営権を剥奪され…
外出する際は胸にダビデの星を縫い付けることを強要されました。終いには自宅から強制退去させられ、劣悪な環境のユダヤ人ゲットーへと隔離されてしまいます。
そしてある日、エバと祖父母にゲットーからの退却命令が出され…
エバと祖父母はアウシュビッツ絶滅収容所へと送られてしまいます…。
1944年10月17日、13歳のエバはアウシュビッツ収容所のガス室で亡くなりました。エバの日記は、ホロコーストを生き延びた母親によって1945年に発見されます。
エバ・ストーリーズの動画をご覧になるには、Instagramの画面中央にある「ストーリーズ」で、エバの誕生日だった2月13日(February 13)から、エバがアウシュビッツへと送られた6月(June)までを順番にクリックしていって下さい。(音声:英語 )
Instagramというプラットフォームでホロコーストを語ることに対し、批判の声があるのも事実です。しかし、このプロジェクトを企画したマティ・コヒバが「ホロコーストの記憶が失われて欲しくなかった」と語っているように、若い世代にも見てもらえる手法で戦争体験を風化させないよう次世代に伝えていくことはこれからの時代、大切なことなのではないでしょうか。
