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美しい風景と写真を撮るインスタグラマー。しかしカメラの裏でやっていることを知り怒りに震えた。
もはやそれなしでのコミュニケーションは成立しないと言っても過言でないほど、SNSは私たちにとって身近な存在となりました。Facebook、Twitterなどで発信される情報は、テレビの影響力を超えているのではないかとすら言われています。
その中でも特に若者に対する影響力が強いのが、Instagramだと言われています。「インスタ映え」と言う言葉が2017年の流行語になるなど、どれくらいInstagram上で美しく見える写真を撮れるかが若者にとっては切実な問題なのです。
Instagramユーザーのうち、フォロワー数が多いなど、特に人気が強い人たちはインスタグラマーと呼ばれ、もはや芸能人と同等の知名度や影響力を持っています。
文化の牽引者として若者たちに多大な影響を与えるインスタグラマーたち。しかしその一方で、人気を保つためにやっていることが、大きな社会問題となっていること、ご存知でしょうか。
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イギリスの写真家・Paul Reifferさんはカメラや写真に関するウェブサイトPetaPixelで、インスタグラマーの姿勢に対して疑問を呈する記事を投稿しています。
いつもはカメラを置いて南仏プロヴァンスで休暇を楽しむPaulさんでしたが、今年はラベンダー畑が満開の夏に休みがとれたので、せっかくだからとカメラを持って畑に出かけてみたところ、驚くような光景を目にします。柵の中に入って、ラベンダーを踏み荒らしながらポーズをとるインスタグラマー風の観光客が、そこに大勢詰め掛けていたのです。
「車は道に乗り捨てで、ほかの車が通れない」「着替えを何着も吊り下げたラックを畑に持ち込んでファッション撮影をする」「畑に脚立を持ち込んで、1年間丹念に育てた花をつぶす」「花を大量に摘んで(盗んで)ポーズとって、挙げ句の果てには持ち帰る」など、見栄えの良い写真を撮るためとは言え、目に余る行為を働くインスタグラマーにPaulさんは怒りを覚えたようです。
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Paulさんは、いいね!さえもらえれば不法侵入や盗みなどは当たり前、働く人や畑のことなど何も考えないインスタグラマーたちの姿勢に強い疑問を呈しています。人気を取るためなら何をやっても許されると思っているのは、自己中心的でナルシスティックだとも書いています。
このようにマナーの悪い撮影者が多いので、最近はプロフォトグラファーの間では、本当に守るべき絶景を撮るときには場所情報の公開を控えるべきだと言う動きが出てきていると言います。安易に絶景を紹介してしまうと、ルールを守らないインスタグラマーたちがこぞってやって来てしまうからです。
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このように、撮影マナーの悪いインスタグラマーが美しい景観を台無しにしてしまう、俗に言う「インスタ汚染」が今、深刻な社会問題になりつつあります。
日本でも、北海道美瑛町の有名なポプラ老木「哲学の木」が切り倒される出来事がありました。これは、写真を撮るために、木が生えている農地に無断で侵入する国内外の観光客やインスタグラマーが後を絶たず、所有者の農家が止むを得ず撤去という手段を選んだ悲しい事例のひとつです。
哲学の木。
私が哲学の木を見れたのは2014年の一回だけになってしまいました。
老木であることや、観光客が私有地に入るなど色々な要素が積み重なって2016年に伐採されましたが、個人の方の善意で管理されていましたので、我々はマナーを守って迷惑を掛けないようにしないといけません。 pic.twitter.com/scVX58MSwy
— だんて (@fy7ZndUGTNns9L0) August 28, 2019
いかがでしたか?もちろん、インスタグラマーの大部分は、マナーを守って撮影をしています。しかしこのようにルールを無視してまでも撮影をしてしまう一部のインスタグラマーのために、多くの人が迷惑を被っていることも事実。しかしその写真をインスタで楽しんでいる私たちにも、もしかすると責任の一端はあるかもしれません。皆さんはどう思いますか?美しい景観を守るためにも、ぜひシェアして、この問題を周りの人に提起してみませんか?
