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ペットショップの鳥籠の中に放棄された卵を見つけた男性客が親代わりになる

ある日、ペットショップを訪れた男性客は鳥のケージの中に意外な「落とし物」に気がつきました。それは小さな卵でした。母鳥のいない空のケージの中に、ポツンと卵が残されていたのです。

すぐに男性客はショップ店員に卵のことを伝え、もし不要なら譲り受けることはできないか交渉しました。

鳥の卵をもらってどうするつもりなのでしょうか?卵を孵化させてヒナ鳥を育てるのは素人にはなかなか難しいものですが…

実はこの男性客、鳥の飼育について専門的な知識をもった鳥エキスパートとして、鳥の保護方法や親鳥に放棄された卵を孵化させヒナ鳥を飼育する方法について紹介するYouTubeチャンネル A Chick Called Albert で知られるアルウィン・ウィルスだったのです。

「ペットショップで鳥籠を覗いていたら、卵が鳥籠の下に転がっていたんだ。でも雄のインコ1羽しか中にいなくて…気になって店員に尋ねたところ、母鳥が売られたばかりと言うじゃないか。それで了解をとって卵を引き取ることにしたんだ」とアルウィン。

©YouTube/A Chick Called Albert

割れやすい小さな卵を保護し、温度低下を避けるため、アルウィンは卵をコットンを詰めたマッチボックスに入れ、注意深く自宅まで持ち帰りました。

自宅の孵卵器にそっと卵を寝かせるアルウィン。しかし、この段階ではまだ卵が有精卵か無精卵か、もしくは卵の中の命がまだ宿っているのかすら不明です。

2日後、アルウィンは卵をライトにかざし顕微鏡で確認しました。しかしまだ心臓の元となる黒い点はなく、生体反応らしきサインは見つかりませんでした。そこでアルウィンもうしばらく待つことにします。

©YouTube/A Chick Called Albert

 さらに2日が経過した4日目、アルウィンは再び卵を顕微鏡で覗くと、鼓動を打つ小さな心臓が確認できました。つまり、中に小さな命が無事に宿っていることが判明したのです。そこで卵の中全体に均一に熱が行き渡り、温度を一定に保ちてるよう、1日3回、注意深く卵をひっくり返します。

そして19日目、ついに小さなヒナがアルウィンの手の上で卵から孵りました。チュンチュンと声を上げるインコのヒナ。アルウィンは細心の注意を払いながら、へその緒を切り離しました。(急に切ってしまうと死んでしまうこともあるそうです)

無事に卵から孵ったものの、まだまだ安心はできません。果たして親鳥ではない異種の育ての親からの餌をヒナに受け入れてもらえるのでしょうか?

©YouTube/A Chick Called Albert

しかし心配は杞憂に終わりました。当初、幾度か試みた後に、ヒナはスプーンの餌を受け入れたのです。アルウィンは1日に8回、根気よくスプーンで餌を与え続けました。

親鳥の代わりに献身的にヒナの世話をするアルウィン。その甲斐あって、ヒナは順調にスクスクと成長していきました。

©YouTube/A Chick Called Albert

しかし、ヒナの成長を見守りながらも一つだけアルウィンには気がかりなことがありました。それはヒナの父親であるあのインコです。今も店内のケージに1羽残されたままなのでしょうか?

そこでアルウィンはペットショップに父鳥インコについて確認の電話をします。幸いにも、まだインコは買い手が見つかっていませんでした。

©YouTube/A Chick Called Albert

そこでアルウィンは父親インコを引き取ることを決意。不思議な縁で一緒に暮らすことができるようになったインコ父子。

インコ父子が初めて顔を合わせる瞬間をアルウィンは動画にとらえています。

卵の孵化からヒナの養育、父鳥との出会いまでの様子はこちらの動画からご覧いただけます:

これまでに数多くの卵や雛を保護し、育ててきたアルウィンにとっても、今回のインコの養育は特別なものとなったようですね。もし彼があの日ペットショップを訪れなかったとしたら…おそらく卵の命は誰にも気づかれることなく消えていたことでしょう。インコ親子が愛鳥家アルウィンのもとでこれからも幸せに暮らすことができますように。

日本の空からツバメが姿を消している。理由を知って、胸が締め付けられるも是非ご覧ください。

プレビュー画像: ©YouTube/A Chick Called Albert