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ゴミ屋敷は実は宝の山だった!カナダのピアノ教師の遺品の価値は3000万円以上

亡くなった人が愛用した品々は、故人の人生の縮図。カナダではあるピアノ教師の遺品を片付けていた男性がゴミの山から宝を次々に発見するとともに、彼女の人生に魅せられていきました。そんな遺品が生んだドラマをご紹介しましょう。


こんなこと絶対ありえない!カメラに収められた信じられない事態を集めた動画は、こちらからご覧いただけます(記事本文は下へスクロールしてください)。

 


カナダ・アルバータ州エドモントンのアレックス・アーチボルドは、骨董品販売を職業にしています。ホームレス状態で育ったアレックスは、拾ったものを転売することでお金を得ては、歴史や骨董について学んだと言います。そして、現在はフリーマーケットや家の納屋、不動産屋で骨董品や面白い物品を探すのが彼の仕事。彼はまた、38万人以上のフォロアーを抱えるYouTuberでもあります。

数年前、アレックスはとてもユニークな老婦人に会いました。ベッテ・ジョアン・ラックというピアノ教師をしている女性です。アレックスは、ずっと使っていない車を売りたいと彼女から相談を受けました。車は1964年製キャディラックという、まさにカーマニア垂涎のモデルでした。

アレックスは車を見るためにラック夫人の家に行きましたが、「家の中は散らかっていてお客さんが入れるような状態ではないから」と家のなかには入れてもらえませんでした。それから数年後、アレックスは街で彼女に会い、カフェでおしゃべりをして連絡を取り合うようになりました。

「彼女は明るい花のような人でした。いつもカラフルな服を着て、満面の笑みを浮かべていました」とアレックスは思い出します。「彼女はあまりお金を持っていないと言っていたので、私が車を売ったことが少しでも助けになればと願っていました」。

ある日、アレックスはラック夫人が亡くなったことを知ります。彼女の遺品が売りに出されていたのです。アレックスは夫人が古いグランドピアノを持っていたことを覚えており、他にも骨董家具があるかもしれないと考えました。

「彼女の収入はたいしてないと聞かされていたので、あまり期待はしていませんでした」とアレックスは言います。しかし、初めて家の中を見たとき、その有様に大きなショックを受けます。老婦人はいわゆる「片付けられない人」で、何も捨てることができない人だったのです。部屋は床から天井までガラクタでいっぱいで、生前の夫人が家の中に誰も入れたがらなかったのも無理のない話でした。

それでも、アレックスはこのゴミ屋敷を探検すれば面白いYouTubeコンテンツになるかもしれないという思惑もあり、夫人の遺品を1万カナダドル(約83万円)で購入することに決めました。

©Youtube/Curiosity Incorporated

ゴミ屋敷を片付けるため、アレックスと彼のチームは何日もかけて働きました。そして、徐々にゴミやガラクタのなかに宝が隠されていることがわかってきました。現金の詰まった札入れ、貴重な宝石が入った袋、重さ2.8キロの純銀の延べ棒、さまざまなヴィンテージ品などが次々に見つかったのです。宝物は至る所に隠されていたそうです。服のポケットや古いファイル、靴の中で見つかったものもありました。

©Youtube/Curiosity Incorporated

また、アレックスは亡くなった所有者についても多くを知ることになりました。ベッテ・ジョアン・ラックは、たくさんの写真と日記を残していたからです。写真には幼少期から老年期までのあらゆる年齢の彼女が写っていました。彼女はカラフルな服が好きで、非常におしゃれな人でした。写真の下には、そのときの着用アイテムが彼女にとって何を意味するのか、どんなときに着るのが好きなのかが事細かくメモされていました。

また、彼女は自分の人生を記録していました。ラック夫人は1944年にカナダのアルバータ州エドモントンで生まれました。小さい頃からバレエとピアノが大好きで、両親はお金を貯めて、彼女に最初のピアノを買ってくれたそうです。彼女は踊り、音楽を楽しみ、幸せな子ども時代を送ります。

しかし、21歳の時、自動車事故に巻き込まれ、彼女のダンサーとしてのキャリアは残酷に終わりを告げました。その後はピアノ演奏に専念し、王立音楽院で学び、24歳でピアノ教師の資格を取得して卒業。そして、生涯の終わりまでに47,800回以上ピアノレッスンを行い、音楽への愛を無数の人々に伝えました。

©Youtube/Curiosity Incorporated

アレックスはこの宝探しのすべてを動画として記録し、YouTubeチャンネルに投稿しました。彼が家を探検し、宝を発見し、ピアノ教師の人生の物語を発見する様子はこちらでご覧いただけます(英語)。

アレックスが発掘したラック夫人の遺品は、その後、オークションにかけられました。驚くべきことに、遺品には40万カナダドル(3300万円)以上もの値がつけられました。

アレックスは、ラック夫人への追悼と感謝を込めて、彼の所有する骨董品店の隣にカフェを作り、ラック夫人のピアノを置き、コーヒーを飲みに来た人がラック夫人の生涯を知り、ピアノを自由に弾けるようにしたいと考えているそうです。

プレビュー画像: ©YouTube/Curiosity Incorporated