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カナダで雪の日に弱り切った猫が窓をノックして助けを求める

誰の人生においても助けが必要な時があります。そんなときは思い切って助けを求めることで幸運の扉が開くことがあります。人間でも動物でもそれは同じ。

このほどカナダの動物保護団体が、2年前の凍てつくような雪の日にボロボロになりながらも人間に助けを求めた猫のその後の心温まるストーリーを発信しています。

2019年のバレンタインデイの日、カナダのケベックに住むジャエルは窓の外で小さな物音を聞きました。窓に近づいた彼女が目にしたのは驚くべき光景でした。そこには、雪の中で弱々しく震えながら、まるで「助けてください」とお願いするかのようにガラス窓をノックする猫がいたのです。

ジャエルはすぐに猫を家の中に入れると、地元の動物保護団体の責任者マリー・シマードに連絡しました。かけつけたマリーはすぐに猫をクリニックに連れていきました。多くの迷い猫を保護してきたマリーから見ても、その猫はかなり衰弱しており「痛々しくて胸が締め付けられる思いだった」と言います。

猫は弱ってはいましたが、病院では血液検査やレントゲンなどの精密検査をリラックスした状態で受け、終始喉を鳴らして甘える仕草を見せていたそうです。

「アスランは歯がボロボロで、しもやけ、咬傷(1カ所で出血)、ノミ、寄生虫、糖尿病、皮膚アレルギーがありました」とマリー。「血液検査の数値も良くなかったので、状態が安定するまで数日間入院することになりました」。

マリーはこの猫に「アスラン」という名前をつけました。童話「ナルニア国物語」に登場するライオンの名前です。生死の境で勇敢に戦う猫にふさわしい名前と考えたのです。

その名の通り、アスランはライオンのような生命力と魅力を持っていました。人懐こいアスランはたちまち診療所のスタッフ全員を虜にしてしまい、愛情深いケアを受けて、驚くほどの回復をみせたのです。

歯の手術やさまざまな治療を受け、新しい家族を探す準備が整ったアスラン。新しい家族が見つかるまでは、アスランを雪の日に助けたジャエルが里親になってくれることになりました。しかし、アスランは新しい家族を探す必要はなくなりました。ジャエルがアスランを正式に引き取ることになったのです。アスランの優しい性格にジャエルの家族はすっかり魅了されてしまったのです。ジャエルはクレオとジャスミンという2匹の保護猫を飼っており、当初はアスランを引き取ることはできないと考えていましたが、アスランはその2匹の先住猫ともすっかり仲良くなってしまったと言います。

「アスランはとても愛情深い猫です。今では路上生活を忘れて、外出することすら考えていないようです。家の中で枕の上で横になったり、抱っこされたりする方が好きなのです」とマリーは語ります。

強く優しいライオンの名をもらったアスラン、ジャエルの家の窓をノックして、自分の手で運命を切り開いたのですね。温かい家のなかで幸せに暮らせるようになって、本当によかった!

プレビュー画像: ©Facebook/Un chat à la fois