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ジーンとくる話

18,000回も里親候補に断られた「英国で最も孤独な犬」の数奇な運命

スタッフォードシャー・ブル・テリアのメス犬「フレイヤ」はなかなか数奇な運命の持ち主です。生後6ヶ月のときに路上で保護され、動物保護施設に入りましたが、持病のてんかんが原因で6年以上も里親が見つかりませんでした。

里親候補に断られた回数18,000回という悲しい記録の持ち主は、メディアで「英国で最も孤独な犬」と報道されたのです。

しかし、この報道が彼女の運命を変えました。フレイヤの記事が、映画『アルマゲドン』や『トランスフォーマー』シリーズのマイケル・ベイ監督の目にとまったのです。ベイ監督はなんと『トランスフォーマー』シリーズの第5弾にフレイヤを出演させると発表。愛犬家で動物愛護活動家でもある彼は、誰かに引き取られるまでフレイヤと一緒に暮らすことも発表します。

フレイヤの運命は大きく方向を変えることになります。持病を抱えながらもフレイヤは映画撮影を無事に終え、見事にハリウッドスターの仲間入りを果たしたのです。(下の動画でフレイヤの映画撮影風景がご覧いただけます)

さらに、撮影から数週間後に、英国のレイとジャッキー・コリンズ夫妻がフレイヤの里親になりたいと申し出ます。二人は、テディとジョアニーという2匹の保護犬を飼っている経験豊富な飼い主です。

フレイヤを6年以上預かってきた保護団体フレッシュフィールドは、この素晴らしいニュースをFacebookで発表しました。

「皆さんに公式にお伝えできることをとても嬉しく思います。僕は養子になって、自分の家族を持つことになりました。ママとパパ、お兄ちゃんのテディ、妹のジョアニー、みんなが大好きです。施設では、いつかは僕の番が来ると言われていましたが、本当にその通りになりました…皆さん、本当にありがとう。愛を込めて フレイヤ」

それから2年間、フレイヤは幸せな家庭生活を送ります。しかし、2年後、フレイヤを心に留めていた人々を震撼させる出来事が起こります。保護団体のスタッフはFacebookでこう説明しました。

「とてもショックなことですが、私たちの美しいフレイヤが安らかに眠りについたことをお知らせしなければなりません。てんかん発作が日に日に増え、制御できなくなっていました。

フレイヤは私たちにとってとても大切な存在でした。6年間、大切に世話をしてきたのです。唯一の慰めは、少なくとも2年の間、あの子には愛情込めて世話をしてくれる本当の家があった事です。

フレイヤがまだ私たちと一緒にいたとき、私たちの一日はあの子を中心に回っていました。私たちは毎朝最初にフレイヤに挨拶し、毎日自然公園に散歩に連れて行きました。1日を過ごしたあとに最後におやすみを伝えるのもあの子でした。

フレイヤはマスコミから『英国で最も孤独な犬』と呼ばれましたが、実際はフレイヤは決して孤独ではありませんでした。スタッフからも、ドッグワーカーたちからも、とても愛されていたのです。そして、最終的に愛すべき家を見つけました。

ぐっすり眠ってください、かわいいフレイヤ。あなたは私たちにとって大切な存在。それはこれからも変わらないでしょう」

孤独な犬と呼ばれたフレイヤですが、シェルターの職員から大切に世話をされ、映画に出演し、最後に2年間、優しい家族と幸せに暮らすことができました。きっと楽しい想い出とともに天国に旅立ったのではないでしょうか。どうぞ安らかに…。

 

プレビュー画像: ©Facebook/Freshfields Animal Rescue ‘Freya’s’ Doggie Diary