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ジーンとくる話

ある日 この”肥満犬”が動物病院に連れてこられた。飼い主が口にした言葉に獣医師は耳を疑った

2018年、カナダ・エドモントンにある動物病院に1匹のゴールデンレトリーバーが運びこまれました。「カイ」という名前のこのワンコ、なんと体重が78kgもあったのです!しかし、この犬の飼い主が口にした言葉に獣医師はさらに驚かされます。

「肥満なので安楽死させて下さい」ー なんと飼い主は獣医師の目を見て、こう言い放ったのです。しかしカイが肥満なのは「飼い主が健康管理を怠ったため」と判断した獣医師は、安楽死の依頼を拒否。すぐさまアルバータ州の動物愛護団体に通報し、カイに新しい里親を見つけてくれるよう協力を依頼します。

すると愛護団体の里親募集に、パム・へギーという女性が名乗りを上げました。しかし平均体重を45kgもオーバーしているカイにとっては、パムの家に足を踏み入れるのも一苦労。なんと初めて玄関の階段を上るのに、20分もかかったのだそうです。

パムの家にやって来たこの日から、カイのダイエット作戦がスタートしました。まずはじめにパムがカイと一緒に取り組んだのが、1日3回のお散歩。ところがカイは数歩歩いたかと思うと息を切らして、その場に座り込んでしまいます。

それでもパムは諦めませんでした。来る日も来る日もカイを散歩に連れ出し、歩く距離を少しずつではありますが、長くしていったのです。長年運動をしていなかったために弱ってしまったカイの脚を鍛える水中訓練も始め、食事制限も厳格に行いました。

カイにとって重い体をおして運動をすることは、決して楽なことではありませんでした。でもカイはパムの「健康になってもらいたい」という思いを感じとったのか、運動を諦めようとはしませんでした。

少しづつカイの体重は減り続け、徐々に体力もついていきました。歩ける距離も飛躍的に伸びて、カイはついに自力でパムの車に飛び乗ることまで出来るようになっていたのです。

パムの家に来て3ヶ月後のカイ…

8ヶ月後…

なんと1年の間に、カイは45kgのダイエットに成功。1年前と比べて自分の体重を半分に減らす快挙を成し遂げました!

元肥満犬カイの物語は、アメリカのテレビ番組「Good Morning America」でも取りあげられ、番組の中でパムはカイとの経験についてこう語っています。

「大きな目標を達成する近道とは、先のことばかり考えずに、日々目の前にある問題に向き合っていくことだとカイは私に教えてくれました。カイは昨日のことも、明日のことも心配していないのです。彼はその日できることだけに集中し、それを実行します。本当に多くのことを私たちは犬たちから学ぶことが出来ると思います」

ネットでは「肥満犬」などといわれていますが、太り過ぎてしまったのはもちろんカイのせいではありません。愛犬が可愛いあまり、ついおやつやごはんをあげ過ぎてしまう気持ちも分からなくもありませんが、犬の健康管理は間違いなく飼い主の責任です。

ダイエットの甲斐あって、元気に走り回れるようになったカイ。これからは楽しい毎日を過ごしていけるといいですね!

プレビュー画像:©︎Facebook/This is Kai, ©︎Facebok/This is Kai