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ジーンとくる話

飛べない鳩と歩けないチワワ|1羽と1匹の友情に世界中が感動

家族の一員として迎えられたにもかかわらず、様々な事情によって家を失う犬や猫などのペットは後を断ちません。そんな動物たちに新しい里親を探そうと、世界中で多くの自治体や動物保護団体が懸命に譲渡活動を行っています。

それでも、障害を抱えた動物たちにはなかなか引き取り手が見つかりません。里親探しに時間がかかれば、安楽死の運命が待っているのが悲しい現状です。

アメリカ・ニューヨークの非営利財団「ミア財団」は、障がいを持つ動物たちを積極的に引き取り、彼らに特別なケアを施しながら可能な限り引き取り先を見つけようと尽力している団体。これまでに犬や猫、そして馬、ロバ、山羊、七面鳥などあらゆるペットがここに引き取られ、ケアを受けてきました。

ここには2018年から病気で飛べなくなった鳩のハーマンが保護されています。ハーマンは脳の損傷、もしくは蚊を媒介とする西ナイルウィルスが原因で2度と飛ぶことができなくなっていました。保護された施設では安楽死させるしかないと判断されたため、こちらの救済施設に引き取られたそう。以降ハーマンは施設の永住者となり、施設にやってくる後輩たちを温かく歓迎してきました。

そんなハーマンにはとっておきの相棒がいるのです。それは誰かとというと….

なんと小さなチワワの子犬。この子犬の名前はランディ。

ランディはサウスカロライナのブリーダーの元で生まれましたが、潜在的な水頭症のために後ろ足に障がいを抱え、足を動かすことができませんでした。それを知ったブリーダーが世話を拒否したため生後間もなくして、この施設にやってきたのです。

財団の創設者スー・ロジャースさんはこのシャツのポケットに入るくらいの小さなランディをハーマンに引き合わせたのです。

すると…1匹と1羽はあっという間に意気投合。

スーさんが最初ハーマンを犬用のベッドに置き、そこにランディを連れてくると、あっという間に仲良く一緒にじゃれあい始めまたそう。ハーマンがランディをくちばしで突つくことも、ランディが噛み付くこともありませんでした。

まるで母親のようにランディに愛情を注ぐハーマン。その姿にスーさんは、オスだと思っていたハーマンが最近ではメスなのではと思い始めているそうです。

飛べないハーマンと歩けないランディはまるでお互いの障がいを理解し、いたわるようかのように寄り添っています。

こちらのミア財団はこれまでに1000匹以上の動物を救い、里親を見つけてきました。スーさんはゆくゆくはランディにも里親を、と考えています。

またハーマンのように里親を見つけることが困難で施設に永住している動物10匹は、スーさんと一緒に学校を訪問することもしばしば。違いを持って生まれること、障がいがあっても命に変わりはないことなどを子供たちに教えているのだそう。

ハーマンとランディの愛らしい様子が公開されて以降、施設には多くの寄付金が集まりました。そして中にはハーマンとランディを引き離さないでほしいとの声も届いているとのこと。

障がいがあるゆえに生きる権利を奪われる命があるという現実の一方で、このようにその命を最後まで生かそうと力を尽くす人々がいます。ハーマンとランディが見せてくれた姿は、まるで私たちにその命の尊さを見せてくれているようです。

プレビュー画像:©︎facebook/The Mia Foundation – Love For Mia

飛べない鳩と歩けないチワワ|1羽と1匹の友情に世界中が感動