反抗期14歳少年が母親との喧嘩をきっかけに庭にすごいモノを掘る

反抗期のころ、親と喧嘩して「もうこんな家にいたくない！」と怒りに震えた経験があるでしょう。できるだけ遠くに隠れたい！自分の部屋でもいいけれど、誰も知らない隠れ家…たとえば本物の洞窟があればいいのに…。

でも、普通はどんなに怒っていても、自分で洞窟を掘ったりはしませんよね。ところが、スペイン南部のラ・ロマーナ村に住む14歳のアンドレス・カントは、自分で洞窟を掘ってしまったのです。しかも、6年間もかけて。

きっかけは、よくある些細な喧嘩でした。愛用のジャージを着て出かけようとしたアンドレスに母親が「着替えなさい」と言っただけ。怒って外に飛び出した彼は、つるはしを手に、庭に穴を掘り始めたのです。

最初は、穴を掘って怒りを紛らわせたかっただけでしたが、次第に穴を掘ることが楽しくなり、大切な習慣になっていったそう。穴はどんどん大きくなり、いつしか想像を絶する規模のプロジェクトに発展していきました。

アンドレスが穴を掘り始めたのは2015年。2017年になって彼はこの空間を住居に変えることができると考え始めました。そんな彼の構想を聞いた親友アンドリューがドリルを貸してくれて、毎日午後になると作業を手伝ってくれるようになると、作業スピードは格段にアップ。穴はみるみる深く広く広がっていきました。

6年後、20歳になったアンドレスは、このプロジェクトの成果を誇らしげにSNSに公開しました。週14時間作業して生まれた地下洞窟は深さ3メートル。壁はセメントで固められ、支柱で固定されています。階段をおりたところに2つの部屋があり、シングルベッド、暖房、照明、Wi-Fi、ステレオ、オーブン、椅子が備わっています。

夏は涼しく、冬は暖かい。アンドレスにとって夢の隠れ家です。もちろん友人たちも、この最高の隠れ家に毎週のように遊びに来ています。蜘蛛やカタツムリがやってきても、気にしません。もともと虫たちが先にそこに住んでいたのですから。

きっかけは親との些細な喧嘩ではありましたが、洞窟を掘る前からアンドレスはこういうことをしてみたいと思っていました。子どもの頃は小さな小屋を作るのが好きだったと言います。ちなみに、彼の新しい洞窟の材料費はわずか50ユーロ程度。

市役所の担当者がこの洞窟をを興味深げに訪ねてきましたが、この空間がなんなのか定義することはできなかったそうです。地下室でも車庫でもありません。地下洞窟は市の建築仕様書にも載っていませんから。

両親は最初は地面が息子の上に落ちるのではないかと心配していたそうですが、今はもう安心して見ているそうです。アンドレスはこの地下空間をもっと居心地の良いものにしようと考えています。地下ではジャージ姿でも誰も文句を言いませんからね。

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