ジーンとくる話
少女はゴミをかき分け、そこに傷ついた生き物を発見した。その後に起こったことは、まるでおとぎ話のよう。
この傷ついた子猫は、イスタンブールの人通りの多い路地に置かれたゴミ箱の中で、弱々しく鳴き声をあげていました。
いつからそこにいたかは分かりません。イスタンブールの人口は14oo万人。人通りの多いこの路地の喧騒にか弱い鳴き声は搔き消され、一人としてこの子猫の存在に気づかなかったのです。
子猫を発見したのは7歳の女の子でした。ごみための中から聞こえてくる鳴き声を辿ると、そこには傷だらけでぼろきれのような子猫が懸命に声を上げていました。
女の子は子猫を拾い上げ、父の元へと急ぎました。医者の父ならこの子を助けることができるかもしれないと考えたのです。
父は獣医ではありませんでした。しかし、病院では、父と一緒に働く看護師がこの小さな動物の患者の手当をしてくれました。子猫の顔は蛆に蝕まれ、体には大量のノミがわいていました。
さらに、片耳を失い、口の一部を失っていました。きっと他の野良猫か野良犬にやられたのでしょう。
しかし、病院のスタッフによる献身的な看護と、女の子の愛情をたっぷり受けながら、子猫は少しずつ元気を取り戻していきました。その後、女の子は子猫をギュリュムザーと名付けました。「常に微笑む」という意味だそうです。
保護されてから2週間後には毛並みが戻り、その回復の速さには皆が驚きました。
ギュリュムザーは、女の子の飼い猫となりました。女の子が家にいるときは片時も彼女の側を離れないそうです。
あの日、女の子が鳴き声に気づかなければギュリュムザーは路地の隅で悲しい死を遂げていたに違いありません。本当に良かった!
心優しい動物思いの7歳に女の子に助けられた子猫は、今は元気に暮らしています。
