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えらい

画像加工に物申した有名人たち

雑誌やSNSで私たちの目を奪うのは、美しい女優やモデルたち。多くの人がその美しさを愛で、憧れずにはいられないでしょう。

しかし同時に、その美しさが多くの少女たちを傷つけています。なぜなら、自分たちとはあまりにもかけ離れた痩身のスタイルや骨格、つややかな肌を持つ、そんな女優やモデルたちを見て、自分には一生なれっこないと自己肯定感をすっかり削られ、自分を愛することができずにいるからです。それでも中にはその理想に近づこうと、無理なダイエットをしてしまう少女もいるでしょう。

しかし彼女たちが追いかけているその姿は、必ずしも現実に存在するものではありません。雑誌などの写真は、フォトショップなどで、ウェストはより細く、肌はより艶やかになるように加工されている場合がほとんどなのです。

メディアはそんな風に、間違った理想を若い人たちに植え付けてしまう危険な面もあります。今回紹介するのは、そんな業界の悪習に、勇敢にも立ち向かった有名人たちです。

ゼンデイヤ

「スパイダーマン」シリーズや「DUNE/デューン 砂の惑星」などで世界からの注目を浴びる、今を時めく女優のゼンデイヤ。そんなゼンデイヤは、自分の写真が、よりスリムになるように修正されていたことを知り、自身のInstagramで修正される前の写真を投稿して意思表示しました。

「19歳の自分のヒップやウェストがかなり加工されていることに気づいて、ショックを受けました。このようなことが、(この写真を見る)若い少女たちを傷つけ、非現実的な美の理想を作り出す原因になっているのです。私はありのままの自分を愛しています。だから、私は本当の写真を公開します」



キーラ・ナイトレイ

イギリスの若手トップ女優のキーラ・ナイトレイも、自分の写真が修正されて雑誌や映画ポスターに載ってしまうことに悩まされてきました。ことあるごとに理由をつけて、勝手に胸を大きくされてしまったことも。

そこで2014年、ある思い切った決断をしたのです。それは、ヌード撮影を敢行するということ。自身の胸を大きく修正したり、勝手に修正しないことを条件に、トップレスの写真を雑誌に掲載したのです。それは、無断修正に抗議し、自身の正しい姿を知ってほしいという思いからでした。

「どんな体型も美しいということを示すことが重要だと思ったの」



プリヤンカー・チョープラー

ミス・ワールド優勝者であり、映画にも数多く出演するインドの女優プリヤンカー・チョープラー。

そんなプリヤンカは、ある男性誌の表紙を飾った際、脇がきれいになるように修正されてしまったことがあります。インターネット上では、「なんてツルツルできれいな脇なんだ!」と大評判でしたが、プリヤンカは自身の正しい姿を伝えようとしました。

「これ、参考までに…」と言わんばかりに、カジュアルに撮影した無修正の自身の脇の写真をTwitterに投稿。その際つけたハッシュタグは、「#本当の脇よ立ち上がれ」「#ノーフィルター」「#脇の日記」でした。


ケイト・ブランシェット

オーストラリアのトップ女優ケイト・ブランシェットも、自らの素顔を修正ゼロでさらけ出したうちのひとりです。

雑誌「インテリジェント・ライフ」の表紙を飾った当時42歳のケイト。確かに他の雑誌の表紙を飾る(画像加工された)モデルたちと比べると、しわや顔のうぶ毛が目立ちます。

ケイトは、理想化された女優としての自分ではなく、等身大の、一人の人間としての自分をもっと見てもらいたいと思ったのではないでしょうか?

たとえ顔に緩やかなシワが刻まれていようとも、人間としての魅力は一切削がれないということを、優雅に証明してみせたのです。



アンディ・ロディック

メディアから受け取る間違った理想像に苦しんでいるのは、何も女性だけではありません。アメリカを代表するテニス選手のアンディ・ロディックは、あるフィットネス系の雑誌の表紙を飾った時に、自身の写真が大幅に加工されていることに気がつきました。

二の腕が太く、逞しく修正され、体格がさらに大きく見えるように加工されていたのです!これは、「男たるものたくましく、筋骨隆々でいなければならない」という時代遅れな認識が反映されたものでしょう。

それを見たアンディは、ブログでユーモアを交えて写真を否定しています。

「まさか自分の腕がこんなにデッカくなって、バースマークのアザが消えちゃう日が来るなんて思わなかったよ!」




ジゼル・ブンチェン

ブラジルのスーパーモデル、ジゼル・ブンチェンも、とあるブランドの撮影時に、ノーメイク&ヘアスタイリング無しで臨んだことがあります。

それは、「自然体こそがもっとも美しい」というカメラマンのアイデアに同調したもの。ジセルはこう語っています。

「女性はみんな違う。欠点も私たちを個性的に、そして美しくしてくれるんです。だから修正とか、きれいに見えるライティングに頼らずに、私を私自身として撮ってほしかった」



フランシス・マクドーマンド

コーエン兄弟作品の常連であり、最近では「ノマドランド」で存在感を見せつけた女優フランシス・マクドーマンドは、たとえアカデミー賞の授賞式であったとしても、化粧を一切しないことで知られています。白髪を隠すこともありません。なぜなら、フランシスはありのままの自然な美しさを誇りに思っているから。

その飾り立てない姿勢を貫いても、2021年に行われたアカデミー賞授賞式で三度目の主演女優賞を手にしました。内面の輝きは、何よりも美しいのです。



いかがでしたか?

勇敢に、そして時にユーモラスに業界の悪習に立ち向かった人々。やり方は様々ですが、その願いはひとつ、まやかしの美に惑わされず、若い人たちに正しい自己愛を育んでもらいたい、そんな願いなのではないでしょうか。

プレビュー画像: ©Twitter/lipiroy

出典:COSMOPOLITAN, BRIGHT SIDE