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がんと闘う娘は退院の日パパとの再会を喜んだ しかしこの光景の1年後…

今、Twitter上である動画が静かな感動を呼んでいます。

実際にその動画をご覧ください。

エレベーターから降りてきて、「ばぁっ」と娘を驚かすパパ。

Twitter/momoemicoco

よっぽどパパに会いたかったのか…女の子はパパに抱きつき、うわぁ〜んと声をあげて泣いてしまいます。

無言で、ギュッと娘のことを抱きしめるパパ。

Twitter/momoemicoco

とても微笑ましく、心温まるこの光景。

女の子のママであるツイート主さん、ももこさん(@momoemicoco)の説明によると、この動画が撮影されたのは約1年前。娘であるここなさんが、がん治療のための再照射入院から退院する日だったそうです。

しかし、残念ながら、もう2度とももこさんがこの光景を見ることはありません。

「2020年7月31日最愛の娘が脳腫瘍でお空に旅立ちました。」(ももこさんプロフィールより)

そう、ももこさんがこの動画を投稿した今この瞬間には、娘ここなさんはもういないのです。

娘ここなさんの体に異変が見つかったのは、2019年夏のことでした。

びまん性正中グリオーマ(脳幹グリオーマ)という脳の中枢である脳幹部分の神経膠細胞に腫瘍が発生する難病であると発覚したのです。この病気はまだ解明が十分に進んでおらず、治療法は放射線治療のみ、という過酷な状況でした。
 
ここなさんはその小さな体で、何度もつらい放射線治療に耐えなければなりませんでした。
 
動画が撮影されたその日は、繰り返される放射線治療の入院から解放される日でもありました。苦しい治療を乗り越え、どれほどパパからギュッとされたかったのか…あらためて動画を見返すと、微笑ましかった光景が、心がギュッと苦しくなるような切ないものに見えてしまいます。
 

1年間に及んだ闘病の末、ここなさんは、2020年7月31に旅立ちました。

小学校に上がることはできず、赤いランドセルを背負いたいという夢は叶いませんでした。

娘をがんで失ったももこさんには今、日本中に伝えたいことがあります。

ちゃんとお伝えしたいのは、あの光景は我が家だけでなく小児がんや小児難病と闘われている全ての子どもたちやご家族の姿だということです。
子供たちは大人では到底敵わない精神力で一生懸命に頑張っています。
そんな方々がいることを胸のどこかに…。

ここなさんはその小さな体で、つらい治療とも、家族と会えない寂しさとも、勇敢に闘いました。そんな娘を抱きしめた時の、言葉語らぬ、けれど娘を心から愛する父の想いが伝わってきて、なおいっそう胸が苦しくなります。

本来ならこの4月、ランドセルを背負い小学1年生になっていたここなさん。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

ももこさんが娘について綴ったブログはこちらからお読みいただけます。また、小児がんについての情報や支援はこちらよりご覧いただけます。

 
プレビュー画像:  / © Twitter/ momoemicoco