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福島県双葉駅にあった駅ノートに震災後保護したという犬の写真とメッセージが添えてあった 読み進めたら最後胸がどうしよもなく締め付けられた

2011年3月11日に起きた東日本大震災。震災によって生活と物流を支える交通インフラの多くが不通となりました。あれから9年が経った今年の3月14日、福島第一原子力発電所事故の影響により不通となったJR常磐線は、最後の不通区間だった常磐線富岡(福島県富岡町)から 浪江(浪江町)間の20.8キロの運転が再開され、ようやく全線開通となったのです。生活、観光、物流などを支える交通インフラの復旧はこの地の復興に向けて大きな一歩を踏み出したとも言えました。

その最後の不通区間のうちの一つである双葉駅で見かけたあるツイートが反響を呼んでいます。

それがこちら。

双葉駅の旧駅舎には、訪れた人が自由に読み書きできる駅ノートが備え付けられています。そこには、3月14日の常磐線全線開通後から、訪れた様々な人からのメッセージが書いてあるそう。

その中にあったこの1つのメッセージ。

Twitter@hakopu

「2011年3月末に双葉駅近くで保護2017年11月まで大切にお世話させて頂きましたので元の飼い主の方ご安心ください。双葉駅再開を知りこの子の里帰りの為来県」

Twitter@hakopu

「震災後、双葉駅前で保護されたワンちゃん(ローズ)を引き取って…3年前になくなりました。生きている間に連れてきてやりたいと願っていましたが残念です。今日お骨にはなりましたがやっと古里に連れてくることができました。喜んでいてくれたら嬉しいですが…どこかにいるローズの本当のかい主さん!!ローズを大切にしていましたよ」

震災では多くの動物もその犠牲になりました。また命が助かっていたとしても、その後の原発事故で起きた混乱で、飼い主とはぐれてしまったというペットも多くいました。そんな中、保護されたローズは新しい飼い主さんの元でその生涯を終えたのです。新しい飼い主さんは、ローズを大切にし、そして大切に思うがゆえにきっと元の飼い主さんのことが気がかりでもあったのしょう。

ローズが生きていた間は、残念ながら双葉駅のある双葉町は全町避難を余儀なくされていました。新しい飼い主さんはローズを故郷に連れて行きたくても行けなかったのです。そして今年になり、ようやく双葉駅周辺を含む一部の地域で避難指示が解除され、ローズを連れてくることができました。

今年の春先と言えば、日本でも3月ごろより徐々にコロナウィルスの感染が拡大し4月に緊急事態宣言が出された頃。きっとこの新しい飼い主さんは早く双葉駅に駆けつけたかったことと思います。コロナ禍の大変な時でも、その願いを叶えローズが大切にされて暮らしたことを元の飼い主さんになんとか伝えたい、という気持ちがメッセージからも伝わり、胸にじんときます。

新しい飼い主さんの優しさが、このツイートを通して広がり、元の飼い主さんやローズを知る人に届きますように。

プレビュー画像:©︎Twitter/hakopu