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えらい

人種差別を受ける日本人選手を擁護したサッカー監督 その理由に日本人なら涙するはず

近年、海を超えて活躍する日本のスポーツ選手が増えています。

海外の猛者たちの中に勇ましくも挑戦していくその姿はとてもかっこいいですが、しかし時に、心ない洗礼を浴びせかけられてしまうこともあるのです。

今回紹介するのも、海外でそんな試練に直面した若きサッカー選手。古橋亨梧(きょうご)選手です。

奈良県出身、26歳のFW古橋選手は、FC岐阜、ヴィッセル神戸を経て、現在はスコットランドの強豪セルティックFCに所属しています。

そんなセルティックFCとの対戦を控えた、同じスコットランド・グラスゴーを拠点とするレンジャーズのサポーターから、古橋選手は人種差別的な扱いを受けたのです。

敵地でのロス・カウンティ戦の勝利に酔ったレンジャーズのサポーター集団が、移動中のバス車内でアジア人に対する蔑視を意味するジェスチャーを披露し、さらに「フルハシは俺の犬を食った!」と侮蔑的な内容の歌を歌う様子を収めた動画をSNS上に公開。

この動画が広まると、「人種差別を許すべきではない」と多くの人が抗議。レンジャーズ側も調査に乗り出すなど、大きな騒動に発展していきます。

こんな心ない扱いを受けて、古橋選手はさぞや傷ついたことでしょう。しかしその騒動の中で、誰よりも敏感に反応を示した人物がいました。

セルティックFCの監督、ギリシャ系オーストラリア人のアンジェ・ポステコグルーです。

ポステコグルー監督は今回の騒動を受け、古橋選手へのサポートを最優先に考えているとの考えを強調しました。

実は、セルティックに古橋選手を招いたのもポステコグルー監督。何かの責任を感じていたのかもしれません。

しかし実はそれ以上の理由もあったのです。ポステコグルー監督はこう語っています。

「私は日本で3年半を過ごした。外国人だったが、日本の人々は快く迎え入れてくれた。日本の人々がどれほど礼儀正しく、敬意を払う人々なのかを知っている」

…そう、実はポステコグルー監督、セルティックFCの監督に就任する前は、日本の横浜F・マリノスの監督を務め、日本に住んでいたのです!

そこで日本の人々のリスペクト溢れる精神に触れたポステコグルー監督は、この人種差別に誰よりも強くNoと言わなければならないと、直感的に感じていたのでしょう。

ポステコグルー監督は取材を受け、さらにこんなコメントを残しています。

「彼(古橋選手)のここ(セルティックFC)での経験は、この48時間の間に起こったこととはまったく正反対のものだと思います。彼と話していると、彼がこのクラブを愛し、この街を愛し、そして街の人みんなが彼のことを受け入れてくれているという事実にもまた感謝を感じていることが伝わってきますから」

「(この人種差別騒動は)人種差別を行なった人々の教育レベルの問題ではありません。どんな人だって、何が正しくて何が間違っているかを、すでに十分に理解しているでしょう。人々に敬意を持って接するべきです」

「私たちの最優先事項は、選手を守り、サポートすることです。彼(古橋選手)はとてもいい奴です。彼はとてもいい青年だし、誰も彼に対してあのような行為をする資格はないのです。絶対に、誰であっても」

 

また、結果として、レンジャーズは人種差別を行なったサポーターたちの特定に成功。永久に入場禁止処分とすることを発表しました。

監督や周囲からの力強いサポートを受け、古橋選手は自身のTwitterを更新。

「I’ll never walk alone」(僕は一人じゃない)というメッセージと、#NoToRacism(人種差別にNoを)のハッシュタグをつけ写真を投稿し、周囲からの温かいサポートに感謝する意を示しました。

いかがでしたか?

人種差別にも負けずに立ち上がり、世界の強豪に立ち向かい続ける古橋選手の姿には感動を覚えます。

つい最近も、日本人を侮蔑するフランス人選手の動画が大炎上したりと、何かと人種差別関連の話題が尽きないサッカー界。

しかし、古橋選手のような力強いプレーヤー、そして何より、ポステコグルー監督のような素晴らしい理解者がいる限り、きっと未来は変えていけるという希望が持てるように感じませんでしたか?

プレビュー画像:  / © Twitter/weeklysd