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職員はフェリーの船首にクジラが引っかかっているのではと気がついた 急いで引き揚げて見てみたら姿を目にした瞬間言葉を失った
いつものありふれた風景の中でも、私たちは時として目の覚めるよな驚きの光景にでくわすことがあります。10月22日、北海道・苫小牧を出発し、宮城県仙台市の港に到着した大型フェリーの船首を目にした陸上職員はあることに気がつきました。
それは、球状に突起した船首部分に見えるこの黒い物体。姿から、「クジラなのでは?」とのことで、急いで確認をしたのだそう。
フェリー運行会社が宮城県の港湾事務所などに連絡し引き揚げたところ、その全容は予想を遥かに上回るものでした。それはなんと体長12mを超えるクジラだったのです。
この滅多に起きない事態に職員、地元の人共々に大いに驚いたそうです。
10/22仙台港に定刻で入港した「いしかり」から送られた画像です(1枚目)。
着岸直前に陸上社員からバルバスバウに鯨が乗ってないか?との事で確認すると…
直ぐに関係官庁・専門機関にご報告をし、体長12mを超える「シロナガスクジラ」だと判明。滅多にない出来事で乗組員も驚いています。 pic.twitter.com/c0jUFGxwz1
— 太平洋フェリー (@taiheiyoferry) October 24, 2020
後の専門家の調査でニタリクジラと判明したこのクジラですが、正確には体長13m、重さは20トン以上の雌。ニタリクジラの大人の中でも大きめサイズなのだそうです。
22日当日の映像です。
この時は、まだ本当の大きさを知らず…。引っかかる方向が違っていたら船体への影響もあったかもしれないとのこと。
幸いなことに、運航への影響はありませんでした。 pic.twitter.com/bQDzv34YZQ— 太平洋フェリー (@taiheiyoferry) October 24, 2020
発見時、クジラは死後約1週間だったとのこと。フェリーがぶつかってクジラを殺してしまったということではなかったようです。運航会社の担当者によるとクジラが船に引っかかった事は今までになく、とても驚いたそう。また、船自体に大きな衝撃もなかったため、クジラがどこで引っかかったかは不明とのこと。
専門家により、こちらの鯨は「ニタリクジラ」であることがわかりました。
調査によると、死後1週間程度が経過しているとのことです。また、「幸いにも」という表現は不適切だったと深く反省しております。
不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。— 太平洋フェリー (@taiheiyoferry) October 24, 2020
クジラは石巻市の捕鯨会社に運んで解体され、遺伝子や年齢などを調べた後に標本にし、同市のクジラ博物館「おしかホエールランド」への展示が検討されているそうです。
引き取りを決めた「おしかホエールランド」は東日本大震災の津波で被災して以来、今年の7月に約9年4カ月ぶりに再開したばかり。震災で多くの収蔵品を失ってしまっていたために、今回のニタリクジラは貴重な展示資料になるそうです。なお、骨格標本にするには3~5年かかるとのこと。
予想外の驚きの事態に、誰もがびっくりした出来事でした。引き揚げられたクジラの大きさに、ただただ圧倒されてしまいます。
プレビュー画像:©︎Twitter/taiheiyoferry
