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ジーンとくる話

飼い犬の子犬のため、ホームレス男性がしたことは賞賛に値する

「犬は人間のベストフレンド」。人間と犬との関係性を象徴するフレーズとして度々耳にします。実際にその言葉通り、犬を飼う多くの人々に取って犬は家族の一員であり、大切な友達であり、ときには人生のパートナーにもなりうる何にも代えがたい存在です。同様に、犬にとっても人間は最良の友となりうるようです。今回ご紹介するブラジルの都市サンパウロで路上生活を送るホームレス男性エマーソン・デ・アルブケルケのエピソードは犬と人間の間の深い絆を物語っています。

長い間、ホームレスとして路上生活を送るエマーソンでしたが、決して孤独ではありませんでした。なぜならエマーソンの傍らにはいつも忠犬ジュリーがいたからです。ジュリーが7匹の子犬を出産した際、路上生活者としての境遇から犬たちの面倒を見ることが難しいのでは、と周囲の人々は懸念しました。しかしエマーソンが選んだ行動はまさに、意志あるところに道は開けるを地で行く信念に溢れたものでした。

 

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子犬を獣医に診せる費用を捻出するため、エマーソンは躊躇することなく回収作業に使っていたカートを売却しました。それまでカートでリサイクル品を回収販売することでわずかばかりの生活費を稼いでいたエマーソンでしたが、獣医医療費にカートを含めた財産を費やしてからというもの、1日に18ドル(2017年10月現在、約2000円)をリサイクル品回収で稼ぐようになりました。さらには新たな家族を養うことができるよう、作業能率を上げるために中古車購入資金95ドル(2017年10月現在、約10,800円)を貯めることが目下の目標となりました。

ジュリーと子犬を買い物カートに乗せ、どこへ行くにも犬たちと一緒のエマーソンはそのほとんどの時間をサンパウロの中心地パウリスタ通りで過ごしています。子犬連れのエマーソンに資金援助を申し出る人もいます。なぜ子犬を売らないのかとの問いかけにエマーソンはこう答えています。「売り渡すなんてできないよ」

エマーソンは近々ジュリーに避妊手術を受けさせる予定です。結局子犬7匹のうち4匹を譲ることにしましたが、残りの3匹とジュリーはこれからも一緒です。愛犬ジュリーとその子供たちを一生懸命守り育てようとするエマーソン、強い絆で結ばれ路上に暮らす家族の未来が明るいものであるよう、願わずにはいられません。