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スピード違反の車に妊婦 警察官2人が道路脇で出産をサポート
アメリカ、フロリダ州で、スピード違反の車に停止命令を出した警察官2人が思ってもみない状況に巻き込まれたというニュースが伝えられています。
地元フロリダ・ハイウェイ・パトロールに所属するマイケル・アランとピート・クリスティの2人の警察官は、2021年3月30日、真夜中を過ぎた午前2時頃、ハイウェイでのパトロール中に猛スピードで疾走する1台の車に気がつきます。
2人はスピード違反の車を止めようと停止命令を出しました。運転手は警察に気づくと、車の窓から腕を出し、必死に手を振り回します。そして、道路脇に車を止めてこう叫んだのです。「赤ちゃんが産まれそうなんだ!」そう、車に乗っていたのは出産のため病院に向かっている夫婦と長女。しかも、陣痛は強くなっており、今にも赤ちゃんが産まれそうな状況だったのです。
マイケルとビートは陣痛の間隔がかなり短くなっていることを確認し、妊婦を病院に連れて行く時間はないと判断して、すぐに無線で救急車を呼びました。そしてその場で出産となることも覚悟し、陣痛でパニックに陥っている妊婦を支えて道端の草むらに連れて行き、タオルの上に寝かせました。
「誰か助けて!」痛みに耐えきれず、大声で叫ぶ女性。2人の警察官と夫はなんとか落ち着かせようと懸命に声をかけます。そして、マイケルが赤ちゃんの頭が出てくるのを確認し、父親が生まれ落ちた赤ちゃんを受け止めました。父親が赤ちゃんの背中を叩いて気道を確保すると、赤ちゃんは元気な産声をあげたそうです。母親は思わず「赤ちゃんは大丈夫?」と尋ね、「大丈夫ですよ」と言われると、「あぁ神様」と安堵の声をあげました。
以下の動画で、警察のカメラが撮影していた出産の様子をご覧いただけます。
「ブルーライトをつけてから生まれるまで6〜8分しか経過していません。時間がないと判断したのは賢明でした」とマイケルは説明します。
救急車が到着し、母子は病院に搬送され、車で父親と長女が後を追いました。
マイケルはこの日のパトロールについて、「最も忘れがたく、最もストレスが大きく、この上なく胸が熱くなる経験でした。幸いなことに、すべてが本当に上手くいきました。それが何より大切で、すべてを補ってくれます」と語っています。
フロリダ・ハイウェイ・パトロールによると、母子はともに元気で、警察官たちはこの幸せな父親にスピード違反の切符を切らなかったそうですよ。この日道路脇で生まれ落ちた女の子の、一生語り継がれる特別な誕生秘話になりましたね。
プレビュー画像: ©Youtube/InsideEdition